内容説明
大学生の麻生耕司は卒業論文のテーマを求めてヴァーチャルアイドル・香月りんねの誕生日イベントに参加する。しかし、そのパーティーの途上、突如としてりんねが豹変し、会場内の電子機器を一斉に暴走させてしまう。彼女には正体不明の悪霊が憑依していたのだ。爆発するスマホ、動き出す自動販売機、乗っ取られるSNS、高速で紙を射出するコピー機……全ての電子機器が殺戮兵器と化し、一人また一人と参加者は息絶えていく。辛うじて生き残った麻生は、自称霊能者や乱暴者、プログラマーの小学生にその母と協力し、電脳世界の除霊を試みる……!/第6回ジャンプホラー小説大賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
16
ヴァーチャルアイドルのイベント中に起きた惨劇…怨霊と化し会場のIOT機器を操ってイベント参加者を惨殺する香月りんねを止め会場から脱出すべく、その場に居合わせた人々が力を合わせる!『ほん呪』『コワすぎ』の系譜にある真面目にやってるせいで逆に面白くなってしまうホラーという感じでかなり好みだった。登場人物は全体通してシリアス、作中のロジックも通ってるし、なんなら一瞬ほろっとくる瞬間すらあるのにQRコードでゴリ押ししてくるせいで笑いが込み上げてくる。実写化してニコニコ生放送で配信したら滅茶苦茶盛り上がりそう。2024/05/06
みすみ
4
ヴァーチャルアイドルに悪霊が憑依し殺戮を始めるという筋書きからして惹かれてしまうし悪霊Vtuberとその対応策という題材から考え得る限りのアイディアを惜しみなく出していく姿勢が展開される様がとても気持ち良くそれがちゃんとエンタメ性に寄与してるのが素晴らしい。そしてホラーというジャンルからあまり想像がつかないぐらいに熱い王道の人間ドラマをやってるところにジャンプBOOKS受賞作らしさを感じさせてくれる作品。2022/09/12
史
4
未来的現代的な仮想空間アイドルと、悪霊や霊媒師という旧世代的普遍的なモノの融合は、既視感はあれどもやはり斬新。新しい怪異に対して新しい救世主を作り出すという展開は熱くさせるものであり、それに人の心が備わるというのはさらに滾るものがある。好きな話ではあるのだけれども、この第0話な話が第一巻になってしまっているのは、どこかもったいなさがある。あとせっかくアクションでキャラモノであるのに、表紙や挿絵(ない)で明確な造形がないのも、なんか原石のようなまま読まされたような気分。なんとも惜しさに満ちている。そんな本。2022/03/23
エデン
2
ホラーというよりとてもテンポの良いアクションやった リズムあって王道展開で面白かった2024/03/30
みやび
2
☆12021/12/22