内容説明
感染症を予防する・重症化させない・後遺症を軽くする
……それ全部、漢方の守備範囲です!
パンデミックに対して、
漢方治療を一次予防として活用することが
理に適っている理由は以下の通りである。
① 漢方の薬理作用は、生体防御能を引き出すのが主であり、
病理微生物が不明の時点から使える。
② 耐性菌、耐性ウイルスを作らない。
③ 細菌に対しては抗菌薬の開発、
ウイルスに対してはワクチン製造までの時間を稼げる。
④ 重症化が予防できれば、医療崩壊を防ぐことができる。
こうした利点をもっと広く理解してもらうためには、
感染症に対する漢方治療の基礎・臨床研究を
積み重ねていく必要があるのだが、
パンデミックに対して「漢方が使える」ことは
もっと知られるべきだと強く思う。
・・・・本書「序章」より・・・・
新型コロナを乗り切っても感染症問題は今後も続く――
本書は漢方の基礎知識から中国・韓国などの
感染症に対する伝統医療の最新事情、
感染症に罹りにくい体づくりまで、
日本漢方医学の第一人者である現役医師が、
感染症と対峙した画期的な一冊です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
31
漢方の力で感染症から体を守る方法が解説された一冊。漢方医学の柱である、漢方薬と養生(健康のために食生活や生活習慣を整える事)について詳しく解説されており、著者が新型コロナ治療で実際に使った漢方薬の詳細が語られる。2000年の歴史を持つ漢方が、スペイン風邪などの大きな感染症で果たしてきた役割なども紹介されており、勉強になった。新型コロナの予防・重症化・後遺症の治療に使える漢方薬も掲載されているので、コロナ治療で漢方を使いたいと思っている人にオススメ。2021/12/28
ゆうみい
3
仕事関連で漢方関係の本を読んだ&軽い語り口のおかげでさくさく読めた。そのとき感嘆したのは、漢方薬がそれぞれの生薬の効能の足し算(掛け算)だからか、一度身につけると応用が効きそうなこと。それだけでなく、漢方が生体の防御能をどう高めるかを考える医学であることもか。実用的な感じだ▼コロナの新薬として、清肺排毒湯というものが作られたそうな。日本では漢方の新薬なんて最近は出ていないのでは。西洋医学が普及してもなお、中国では漢方医学も重視されているんだな。2021/09/08
ゆたんぽ
2
お世話になっている先生の作品で拝見しました。難しい内容もわかりやすい表現で記載されており、非常に読みやすかったです。過去の感染症との戦いから新型コロナウイルスとの戦いまで網羅されており読み応えがありました。過去の感染症では感染源のネズミを政府が買い取っていたとは驚きでした。2021/09/10
たいきち
1
図書館。未病図鑑を借りれなかったので、先にこちらを読んでみました。ちょっと専門的すぎて、漢方が初期症状のコロナ治療に効くよ、実例もあるよ、と言われても、そうなんだ~としか思えなかった。普段から漢方外来などに通っている人には、有効性もわかるし、陽性になったらかかりつけの漢方医に!となるとは思うのですが。 もっと東洋医学が身近になってほしいし、有効性のある治療はいくつあっても患者にはありがたいし、ぜひ広めてほしいけど、しかしそれをこの段階で一般の人に向けて本で言う意味…?と疑問に思った。2021/09/24