内容説明
大人気ホラーミステリ、完結!
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのか――因縁帳、堂々終幕!
※電子書籍には特典として、内藤了さんの次回作「桜底 警視庁異能処理班ミカヅチ」の冒頭試し読みが収録されています!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
131
最終巻の一冊。涙で始まり、涙で終わった一気読みの最終巻。いきなりの悔しいお別れにぽっかり穴が空き、隠温羅流の因縁の半端なさが今更ながらに怖かった。対決なるもの、曳家のシーンは息を呑むほどの圧巻描写。人が人を想う強さはもちろん、棟梁の偉大さと覚悟が、因縁の強固な鎖、蠱峯神の呪縛に立ち向かうしかないメンバーを守っていることが感じられたな。そしてメンバー誰もがすごく魅力的。まさかのあの男までが魅力的でそこが一番の感動ポイントだったかも。縁は円、想いが繋がる円が美しい。淋しいけれど、おつかれさまの言葉と共に読了。2023/06/05
Kazuko Ohta
92
思えば内藤了には本シリーズでハマり、次巻刊行までの繋ぎで“藤堂比奈子”に手を出してとっとと読了。そのロスを埋めるための“堀北恵平”でまたハマり、なんだか私はカモにされているような(笑)。私の中では棟梁は麿赤兒だったのに、若い頃は誰もが振り向くような男前だったとなると麿さんじゃないな(笑)。藤竜也にするか。和尚の短パン姿に笑わされ、仙龍と春菜の抱擁にはこちらが赤面。いつもの私は切なさ重視だけど、本作は思ったほど切ない最後ではなかったおかげでロス度低くて済みそう。で、来月には新シリーズ開始。次も私はカモ決定。2021/12/31
吉田あや
83
因縁のある物件の障りを祓い、目的の場所へと建物を曳き、次の世代へと引き継ぐ曳家を生業とする<隠温羅流>の物語がついに完結。導師は因縁を祓うことでその因を自らの身に受け齢42歳で命を落とす宿命を背負っているが、サニワである春菜は因の根幹を見つけその因と呪いを解こうと最後の戦いへ挑む。シリーズを通して民俗学と結びつきながら展開されていく事象たちが興味深く、古から伝わる伝承や様々な鬼、神などが登場する事も堪らない魅力となり、哀しみや呪いの奥にある想いに惹き込まれた。(⇒)2021/12/19
眠る山猫屋
80
きれいに完結。多少予定調和的な展開ではあったが、後半の総力をあげた曳き家の場面は手に汗握る、素晴らしい描かれ方だった。帯の煽りの一文も、なかなか(苦笑)いつの間にか登場人物の大半に感情移入していたらしい。なんとなくパグ男先生が死ぬんだと思い込んでいたよ、何の根拠もないのに。様々な人々(や怨霊)の感情の醜さと美しさが交互に描かれていて、揺さぶられた。良いシリーズでした。2022/01/30
がんも
80
シリーズ第10弾にして最終巻、とうとう終わってしまいました…悲しい出来事から始まり、長い長い因縁に決着が付いたラスト、仄暗い思念から集められたメンバーが、信頼や絆で思惑を覆し隠温羅流導師に長い間課せられてきた因縁を解き放ちました、全10巻で綺麗にまとめられて納得のラストでした。とは言え、この面々の次の活躍が見れないのは本当に寂しい……比奈子シリーズみたいにスピンオフとか出ませんかね〜2022/01/07