内容説明
優れた味覚を持つ仁吉少年は、〈森山園〉で日本一の葉茶屋を目指して奉公に励んでいた。ある日、大旦那の太兵衛に命じられ上得意である阿部正外の屋敷を訪ねると、そこには思いがけない出会いが待っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ここぽぽ
19
商人の心意気とお茶屋の矜持。 幕府御用達の宇治茶。京から江戸へお茶壺が駕籠とともに行列となって、静々と行く。泰平の世が変わりゆく様と、攘夷志士の反乱。 幕府存続が危ぶまれる中、戦乱の世の商いの困難さ。人々がお茶を求め喫するのは平和だからこそだと、しみじみ思った。2024/02/17
ジャスミン
5
宇治で生まれ育った仁吉はお茶壺道中を誇りに思っている。江戸日本橋の茶番屋〈森山園〉に奉公するが、優れた味覚と茶葉の知識により大旦那の太兵衛に可愛がられ、仁太郎と名前を貰う。 幕末の時代のうねりに翻弄されながらも、ひたむきに茶葉の道を信じて進む仁太郎。 彼の成長と共に幕末の時代を感じられた。2023/04/06
せいこ
4
お茶好きとして読まねばと楽しみにしてた本。だったんだけど、読むスピードが上がらない… 宇治茶を扱う葉茶屋、森川園 森川園の奉公人、仁太郎は若くして手代になり宇治茶を森川園を守り抜くために奔走するおはなし。 今では主流のブレンドが当時では斬新な方法だったのと、お茶と海苔のお店が誕生した理由とかそういう歴史を知れてよかった。2023/02/27
kmzwrs5781
3
故郷を愛して、故郷の茶を愛して、世の中に翻弄されて、それでも愛し続ける。一途さに心を打たれる。美味しいお茶が飲みたくなる。まいねーむいず、にたろう。2022/02/05
はち
2
幕末の大きな時代の変化のなかで,お店や大切な人,さらに宇治茶を守ろうと奮闘する主人公。2024/01/13