ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 死にざまを見ろ

個数:1
紙書籍版価格
¥616
  • 電子書籍
  • Reader

ハヤカワ・ミステリ文庫
死にざまを見ろ

  • ISBN:9784150707644

ファイル: /

内容説明

炎暑にうだる七月、87分署の刑事たちは、管区内に潜んでいると噂される老婆殺し、ペペの行方を追っていた。町のチンピラに聞き込みを続けるのだが、ペペを英雄視する彼らはなかなか口を割らなかった……。年若い殺人犯を追うかたわら、青少年犯罪の実態をドキュメンタリ・タッチで描く!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

44
久しぶりに読んだが、初めて読んだときよりもセミドキュメンタリータッチで進行するこの話は案外迫力のある話だと感じた。フランキー・フェルナンデス、惜しいなあ。こういうプエルトリカンの真面目な刑事はもう少し引っ張って欲しかった。別の巻でハヴィランド刑事に馬鹿にされたクリングをかばうところなんか良かったから。ただこういう思い切りの良さもこのシリーズの醍醐味なのだから仕方ないか。2013/02/27

背番号10@せばてん。

30
1991年11月30日読了。87分署シリーズ第13弾。エド・マクべイン、2005年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2020年7月12日入力)1991/11/30

鐵太郎

14
今回は、まるごと殺人犯を追いつめて射殺するお話。そこにアメリカ本土に渡ってなんとか生きようとするプエルト・リコの人々に絡む人種問題やら、過去を背負って歪んでしまった男の話やら、未熟な不良少年たちの正義やら、みんなの前で起きる殺人劇に群がる人々の心理やら、いろいろなものをつぎ込み、破綻なくまとめたマクベイン節。アンディー・パーカーがこれからどうなるのかが知りたいよね。変わるのか、変わらないのか。2019/10/27

アヤネ

5
シリーズ13作目。87分署の二人の刑事は熱気に静まり返った街を、老婆を射殺して逃走したペペの行方を追ってパトロールしていた。 早く逮捕しないと、第二の殺人が起きてしまう。 二人は、街の不良青年たちから手がかりをつかもうとしたが、ペペを英雄視する彼らは、決して口を割ろうとはしなかった(Aga-search)。。。今回の主役はフランキー・ヘルナンデスら二人の刑事。キャレラは、牧師姿で犯人の盾となるが。不良少年たちの一人シクストが、その考えは間違っていると仲間を説得する所などが、印象に残った。2017/05/12

菱沼

3
このところ87分署シリーズを再読していて、これが6冊目。弱い少年たちがダークサイドに落ちて行く有様がよくわかる。少年グループのひとりシクストが言う「正しいことをしてるときは、強いんだよ」という台詞がいい。唱和22年に今の憲法が発布されたとき中学などで使われた「新しい憲法のはなし」の中の一節を思う。軍隊を持たず、戦争放棄することを謳った憲法について「正しいことは軍隊より強いのです」とある。拳銃に頼り、暴力で尊敬されると思う者の弱さ。パーカー刑事しかり、ジプしかり。ペペもまた弱い人間のひとりだった。2016/09/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15015
  • ご注意事項