内容説明
こぬか雨に濡れた舗道。街角を曲った黒いセダンからライフル銃が顔を出す。一発の銃声。舗道の男の顔は粉みじんに吹っとんだ……殺されたその男はプロの脅迫者だった。彼は何を種に誰をゆすっていたのか? また脅迫者殺害犯の殺しの報酬とは? 分署の刑事たちはにわかに活気を帯び始めた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
77
捜査過程が淡々と描かれ、犯罪の全貌が明らかになる過程が感情の起伏を抑えた筆致で書かれている。シリーズ第7弾ともなると、87分署に所属する刑事になじみがあり、相当な思い入れがあるだけにこうした描き方も好ましく、むしろ過剰な刺激は不要だ。シリーズ随一の一冊を選ぶとして、おそらく本巻『殺しの報酬』が選ばれることはないだろう。それでもファンにとっては87分署の世界にどっぷり浸る幸せを感じる一冊であった。2015/07/28
セウテス
61
87分署シリーズ第6弾。本シリーズは分署の警官たちの中で、作品毎に主人公が代わって行くのも特徴の一つですが、今回はコットン・ホース刑事です。こいつの特徴は、女に手が早い事。日本の警察小説は、1課全員で犯人を追い掛けるのが当たり前なのだが、こちらは何人かは花火大会を担当したり、又別の者は本件と違う事件の捜査を行っていたり、現実はそうだろうと納得する。淡々と事件に関係しない日々の生活が語られるのは、とてもリアルだし警察小説の楽しみでもある。ミステリーは伏線もしっかり在り、思った以上に動機や犯人に意外性が高い。2016/08/11
背番号10@せばてん。
27
1997年5月15日読了。87分署シリーズ第6弾。エド・マクべイン、2005年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2019年2月1日入力)1997/05/15
鐵太郎
21
街のど真ん中で、まるで1937年のような惨劇が起こり、サイ・クレイマーという男が銃で顔を吹っ飛ばされます。このクレイマーという男、実は脅迫犯らしい。しかし振り込まれる貯金の金額が不審。だれが、どんなネタでゆすられていたのか。87分署の刑事たちの捜査が続く。今回メインとなったのは、前作でおマヌケを晒してしまったコットン・ホース二級刑事。こいつの色男ぶりがなんともはやなのだが、自分の勘を信じて最後にぶち当たったのはなんだったのか。マクベインだねぇ、この語り口。2019/04/12
あおさわ
19
地道な捜査と刑事たちのやりとりがメインで、ちょっと地味な展開かなと思ったけどラストのラストで意外な犯人が出てきて満足です。あとこの一冊で三人の女性をたらしたホース刑事、その意味でもあっぱれ。2017/07/01
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