内容説明
迷走の果て国民の生活を犠牲にした政府のコロナ対策の総括。いったい何が、誰が悪かったのか元厚労省医系技官の著者が徹底追及。医師会、分科会、感染症専門医、メディア、厚労省、政治家たちはどんな行動原理だったのか。歯に衣着せぬ発言でテレビでも話題の木村盛世氏、最新刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
38
木村盛世さんによる、ここ2年の新型コロナ騒動の総括的作品。緊急事態宣言、自粛生活、感染症2類→5類問題などなど様々な政策・問題のあったコロナ禍において、医師会、分科会、感染症専門医、メディア、厚労省、政治家たちはどんな行動原理で動いていたのかが解説される。総じてデータ分析を行わず、科学的根拠のない、いきあたりばったりの政策実施が多かったことが伺える。ラストに今後致死性の高いウイルスが日本に入ってきた場合に備えての提言(トップが責任を取る組織構築+エビデンスありきの政策実施など)が語られる。2021/12/14
ふたば
14
自粛自粛と叫び、まるで今回のコロナが恐怖の大王の襲来のような騒ぎになってしまった今回の騒動をひき起きた戦犯を取り上げようと試みた一冊。多くの脚光を浴びる機会を狙っていた人たちが煽りに煽ったためと、それをこぞって取り上げたマスコミの罪は大きいということには賛成する。ただし、この人も、自分が脚光を浴びたかった一人だと感じる。日本の対策はことごとく失敗であるとし、海外に成功例を求めているが、そこには賛同できない。コロナ政策について冷静に判断できるまでには長い時間が必要だろう。2021/12/29
Mark X Japan
11
著者らしい、しがらみと忌憚のない貴重な内容です。テレビに出てくる人の影響が強すぎます。テレビを見る前に、本を読んだり統計を学んで、一部の人の一方的で根拠のない言説に惑わされては、いけません。コロナ脳はテレビ脳と呼びたいです。☆:4.52022/01/02
みじんこ
7
海外と比べ少ない感染者数でなぜ医療逼迫が叫ばれるのか、単純に疑問だったが本書でその理由はほぼ見えたと思う。感染症の原理原則、厚労省の問題や感染症専門医とは何かといった話の他、トリアージの考え方など、勉強になること、再度の危機に備えて議論の必要を感じさせることも多い。ただ、タイトルが過激なのと、分科会の人々は政府広報ではなく研究者集団なのだから研究を主導せよという主張も頷ける一方、彼らも彼らなりの理屈と問題意識をもって取り組んだのであろうし、スポットライトを浴びたかった人々という見立ては違うだろうと思う。2022/01/16
めるみ
7
新型コロナを恐れの病ではなく、インフルエンザ同等の病として格下げして考えてみる。もっと冷静に考えよう! 自粛、自粛で、できていないと気の緩みだ!と考えている戦犯たちは、コロナ死だけを避ければ良いという考え。 今、日本にある医療資源を上手に活用できればきっと乗り越えられる。それには、分科会ではなく厚労省医務技監を中心に。 個人的には、まずは2類を5類にさせて一般の病院で診られるようになって、終息していく。まずはコロナ対応を総括し、次に来る感染症に備えなくてはならないと感じた。2021/12/24