内容説明
「時は確実に、私を大人へ押し出そうとしている。」
衝動的に、姉の形見のペンダントを、川に放ってしまった「育音」。
そんな時に声をかけてきたのが、青年「沖田」だった。
レンタル役者を生業としている彼に、「育音」は「共犯者」を演じてもらいたいと願う。
「沖田」の仕事を手伝い、かかわるうちに、「育音」の想いは次第に変化して――
「俺に演じてほしいのはどんな役?」「共犯者」
切ない衝撃が胸を打つ、メフィスト賞作家快心の傑作青春ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
51
霊媒探偵アーネストの作者によるノンシリーズ作品。言葉に出来ずあるがままに振る舞おうと、その振る舞い方がわからない人々の物語。何処か暖かくも湿っぽかった物語、個人的には終盤になるまでのエピソードが心に染みた。私たちはひろがる空にはなれない。でもそれ以外なら?しかし、レンタル役者や札幌の劇団と聞くとあっちと同じ世界と同じかと気になってしまうのだった。2023/05/20
rosetta
12
★★★☆☆レンタル役者ってネーミングはどうかと思う2022/02/27
みのくま
8
本書はタイトルの意味について考えたい。本書で「空」はスカイツリーの展望デッキで唯一「綺麗なもの」として登場する。空は青く透明に澄んでおり、海や川は空の色を映しているにすぎない。主人公アテナや七尾、天海たちもまた、周囲によってラベリングされる事で自己を理解していく他なく、空のように確固とした自己を持つに至れない。だから「空にはなれない」のだ。だがアテナたちは環境に左右されるだけの「空っぽ」かと言ったらそうではない。周囲に順応するかどうかは自己の決定であり、そういう意味で「私たちは空(カラ)になれない」のだ。2022/02/20
なりぶぅ
5
死んだ姉の生まれ変わりとして育ってきたアテナ。ある出来事がきっかけでレンタル役者のテイル(七尾)と知り合い、自分の共犯者になるよう依頼をする。そこから様々な出来事を通して互いに影響し合う関係を築いていくが、アテナには秘密があった…。てっきり甘酸っぱい恋愛小説だと思っていたら、いきなりひっくり返る瞬間があってビックリした。その後も「えっ!?」となる場面があったりしたけれど、アテナや七尾、天海が自分らしく生きようとする姿にグッときた。彼らの未来が明るい光と幸がありますように。2021/12/26
JUN
4
想像以上に楽しめた。2022/01/09
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