文春新書<br> 明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代

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文春新書
明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代

  • 著者名:小川原正道【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2021/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166613342

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内容説明

高橋是清、新渡戸稲造、金子堅太郎、團琢磨、小村寿太郎、秋山真之――明治の「日米同盟」をつくった男たちの秘史に迫る

明治日本といえば、憲法を学んだドイツや日英同盟を結んだイギリスなど欧州に光が当たることが多い。
だが、日本の運命を決定したのは日米関係であり、その集大成が、日露戦争であったと著者は主張する。

開国直後に密航など危険を犯して渡米した第一世代。
同志社をつくった新島襄、のちに日本の財政を一手になう高橋是清、初代日銀総裁として金融機関の整備にあたった吉原重俊などをとり上げる。

学費が安いことから次々と優秀な若者が派遣された第二世代。
当時最先端だったロースクールを選んだ二人の青年。同じ下宿先からハーバード大に通った小村寿太郎と金子堅太郎は、ともにポーツマス条約締結のため活躍する。イエール大で学び、のちにアメリカで教職についた朝河貫一は、ポーツマス条約におけるロシアとの講和案作成に関与、マサチューセッツ工科大で冶金学を学んだ團琢磨は、卒業生を巻き込んだ親日世論工作を行う。
日露戦争で日本海軍を指揮した秋山真之もまた、アメリカ留学生の一人だった。

日露戦争終戦後、両国関係は悪化、留学生たちの運命も変わっていく。長命だった金子は反米主義者に、日米親善に尽力した團は血盟団によって暗殺された。日本の国際的孤立を決定づけた外相・松岡洋右(オレゴン大)、は、誰よりもアメリカを知ると豪語するが、最も大きく読み間違えた。
そして、運命の真珠湾攻撃の総指揮を執ったのは、ハーバード留学生の山本五十六であった――

丁寧な現地取材から浮かび上がる日米関係秘史。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

5
ふむ2024/06/13

Go Extreme

3
アメリカで注目を浴びた伊藤 密航から近代の留学へ 指導者の世代交代 幕末留学生が目指したアメリカ: 新島襄の密航 薩摩藩密航留学生―吉原重俊 高橋是清の渡米 「ロー・スクール」黄金時代: 明治初期留学生の「ロー・スクール」熱 科学技術、人文科学、軍事学: 団琢磨とMIT 秋山真之のアメリカ留学 「神の国」を求めて: 同志社からイエールへ 内村鑑三の見たアメリカ 太平洋の架け橋へ―新渡戸稲造のアメリカ留学 「集大成」としての日露戦争 悪化する日米関係に抗して: イエール大学会の基金設立2021/12/31

Kelevra Slevin

2
欧米に対抗しうる国家になるためはじめは密入国での留学、次第に幕府や明治政府の後ろ楯での留学が進んでいった。そうした留学で培われた技術、知識、そして人脈といったものの「集大成」が日露戦争とその講和条約であるというのが本書の趣旨である。当初は日本国家が欧米と互していくために志を持った若者がいたが、徐々に立身出世のためという留学の目的が変質していくなかで、日露戦争時のようなアメリカとの強固な結び付きが薄まっていき日米戦争という最悪の結末へと転がり落ちていく。2022/03/05

lovejoy

0
★★2023/09/04

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