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内容説明
隻眼跛行。しかし、戦場では片鎗の無双の遣い手にして、軍略智謀は湧き出るが如し……。戦国乱世、甲斐の武田軍団にあって、希代の謀将として活躍した山本勘助。長年の諸国放浪の末、五十一歳にして武田信玄に仕官し、川中島の合戦で壮絶なる最期を遂げるまでの十有余年、信玄の天下獲りの夢に一身を捧げた。その遅咲きながらも堂々たる生涯を描く長編歴史小説。山本勘助といえば、近年までその存在さえ疑問視されていた人物。著者は、「親類衆や譜代の重臣たちとの争いを避け、あえて表に立たずに裏から信玄を支えていたからではないか」と推測している。仕官して日の浅い身を鑑みて、よく身を処し、幅広い見識と軍略を以ってただ一途に参謀として忠義を尽くした勘助にこそ、信玄は全幅の信頼を寄せたのであろう。五十歳を超えてからの活躍で歴史に名を残した山本勘助の生き様は、人生後半の生き方が問われている現代人にとっても一つの指針となるであろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうへい
2
意外と期待していただけに、あんまり話が入ってこなくて残念でした。勘助が策略を繰り出したところが無くて、ほとんどあっさり受け流しています。全体的に勘助自体が生かされていなかったように感じました。
MIKETOM
1
玄徳に孔明あらば信玄に勘助あり、なんて言葉を知ったのはいつだったかな。戦国時代の名軍師と言えば筆頭に来るのがこの人。ただし、本書を読んでいても、勘助がどんな献策をしてそのおかげでどんな勝利を得たのかとか、そういうことがイマイチわかりにくい。君主ではなくて部下を主人公にしたこの手の本はほとんどがそういう轍を踏んでいる。あれは止むを得ないのかなあ。ちょっと残念。【評価:A】2015/05/31