内容説明
全く縁もゆかりもなかったところに、全く知らない人がやってくる。お金のやりとりはない。それなのに被災地のために一生懸命活動する。何ならお礼を言って帰っていく。よくわからない人たちである――
東日本大震災の被災地・岩手県九戸郡野田村で震災直後から現在まで行われている災害ボランティア活動。中心的な役割を果たしたのは外部者と被災住民が協働で立ち上げた「チーム北リアス」であった。
多くのボランティア活動が単発かつ外部者からの援助に終始する中、「チーム北リアスとして被災者と外部者が協働する際の知見や被災者とともに被災地の課題を解決するための実践的手法を紹介し、災害ボランティアの魅力と復興への道筋を考える。
目次
五〇にして天命を知る
第1部 チーム北リアスの活動(野田村との出会いとボランティア活動
チーム・オール弘前―大学と市民の協力の力
野田村で学生ワークショップを続ける意味
住民とボランティアが協働する地域見守り活動
記憶の復興―写真返却お茶会の一〇年
村民アンケート調査から見えた生活実態と復興感)
第2部 大阪大学の取り組み(被災地での教育・研究・活動拠点「野田村サテライト」
復興に向けた新たな活動に伴走する)