内容説明
1960年代以降のアメリカ社会における人種問題と市民権運動の歴史を、アファーマティブ・アクションの歴史的推移を中心に再考する。アメリカ国民の境界線の再編に深くかかわる「諸刃の剣」として統合と分断の役割を担わされてきたアファーマティブ・アクションについて、フィラデルフィアとリッチモンドを事例として、黒人労働者や労働組合の動向に焦点を当てて検証し、アメリカ人種問題の解決への糸口を探る。
目次
552 語られなかったアメリカ市民権運動史-アファーマティブ・アクションという切り札
語られなかったアメリカ市民権運動史-アファーマティブ・アクションという切り札
目次
序章――現代アファーマティブ・アクションとは何か――
1 問題の背景
2 今日のAA が抱える課題
3 AA 研究史
4 本書の課題と構成
第1 章アファーマティブ・アクションの系譜―― 歴史に現れた三つの先例 ――
はじめに
1南部再建期(1860 年代)――アファーマティブ・アクションの源流――
2ワグナー法(1935 年)――「アファーマティブ・アクションは白人のものであった18)」――
3ケネディ大統領行政命令10925(1961年)――市民権運動とアファーマティブ・アクション――
おわりに
第2 章「下からのアファーマティブ・アクション」―― フィラデルフィアにおける市民権運動の展開 ――
はじめに
1 背景――冷戦と市民権運動――
1.1 民主主義の競争――冷戦――
1.2 冷戦リベラリズム
1.3 フィラデルフィア市民権運動の変容
2雇用平等をめざして――人間関係委員会・教会・NAACP――
2.1 背景
2.2 第一段階:セレクティヴ・パトロネージ・プログラム
2.3 第二段階:1963 年「公正雇用実施規定」の制定へ
3暴動を乗り越えて――「下からのAA」を実践する――
4 1970年代以降のフィラデルフィア市民権運動
おわりに
第3 章ジョンソン政権のアファーマティブ・アクション―― 1967年フィラデルフィア・プランを中心に ――
はじめに
1 背景
2 フィラデルフィア・プランの展開
2.1 OPP の導入
2.2 現場の困惑
2.3 雇用者の不満
2.4 労働組合の立場:反発・困惑・協力
3 CHR による収拾からOPP の廃止へ
おわりに
第4 章ニクソン政権のアファーマティブ・アクション―― 1969年改訂フィラデルフィア・プランを中心に ――
はじめに
1 背景
1.1 1960 年代末の市民権運動
1.2 ニクソン政権と市民権問題
1.3 フィラデルフィア・プランの再生
2 RPP をめぐる紛争本
2.1 8 月公聴会
2.2 建設労働組合大会――RPP 絶対反対を決議――
2.3 10 月公聴会
2.4 12 月議会採決
3 ニクソン政権のAA からの後退
おわりに
第5 章現代アファーマティブ・アクションの展開―― 1983年リッチモンド・プランを事例に ――
はじめに
1 セパレート・シティ
1.1 黒人の政治的影響力の拡大
1.2 市街地再開発をめぐる利害
1.3 黒人多数派議会の誕生
2 リッチモンド・プランに向かって
2.1 1970 年代――雇用平等のためのアファーマティブ・アクション――
2.2 マーシュ市政のAA――対立と協調――
2.3 セット・アサイド
3 リッチモンド・プランの展開
3.1 ロイ・ウエスト市長の誕生
3.2 リッチモンド・プランと再開発
3.3 リッチモンド・プラン採択
3.4 リッチモンド・プランとクロソン裁判
3.5 リッチモンド・プランの有効性
おわりに
終章
参考文献
あとがき
索引
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