内容説明
もしトルーマンではなくウォーレスが大統領になっていたら、世界の歴史は変わっていたかもしれない――
ルーズベルト政権下で農務長官、副大統領を歴任したウォーレスは、豊富な科学知識やアインシュタインら科学者との信頼関係をもとに、世界平和を見据えた原子力技術管理、権利や利益を独占しない市民国家としてのアメリカを構想していた。しかし、男女平等、黒人差別撤廃、反植民地主義などのリベラルで進歩的な世界観は当時のアメリカ国内で孤立し、ウォーレスは表舞台から放逐されて、アメリカは原爆投下、そして冷戦への道をたどることになった――。歴史の分かれ目からこぼれた知られざる孤高の政治家の姿を明らかにする。
目次
序章 ウォーレスはなぜアメリカの核独占に反対したか
第1章 ウォーレスの政治経歴と先行研究
第2章 ウォーレスと原爆科学者との接点
第3章 ウォーレスの世界秩序はどのように構想されたのか
第4章 ウォーレスの原子力時代構想
第5章 冷戦戦士に挑戦して
終章 統一された世界を目指して
エピローグ
アペンディックス(付録・別表)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
ウォーレスはなぜアメリカの核独占に反対したか ウォーレスの政治経歴と先行研究:生涯 研究 ウォーレスと原爆科学者の接点:政策決定の初期過程 マンハッタン計画の開始 軋み始める英米関係 ウォーレスの世界秩序はどのように構想されたのか:ニールス・ボーアが唱えた異議 スティムソン提案に対する反応 科学者らの懸念 トルーマン大統領に対する国民の反応 演説・原子力時代の意義 ウォーレスの原子力時代構想 冷戦戦士に挑戦して 統一された世界を目指して:ジャーナリストとして再出発 ウォーレスの原子力計画 進歩党の敗北2021/04/10