内容説明
社会的マイノリティが在籍する学校の教員たちがどのように子どもや保護者、また教職という職務と向き合っているのかを社会学的なデータ分析から明らかにする。教員が勤務校で経験する特徴的な職業的困難や職業的アイデンティティ、自身の成長、キャリア形成の過程を描くことで、「子どもの社会的包摂」にむけた教員の専門性の内実を示しつつ、厳しい労働環境における教員たちへの支援の方策を提示する。
目次
“しんどい学校”の教員たち
第1部 本書の分析射程―先行研究の検討と調査概要(先行研究の検討と分析課題の設定
調査とデータの概要)
第2部 “しんどい学校”の教員の適応キャリア(“しんどい学校”の学校環境
“しんどい学校”の教員たちの教職アイデンティティ
“しんどい学校”の教員への社会化過程)
第3部 教員世界の変化と教員のキャリア問題(教員集団の変容と教員のキャリア問題―A中の事例から
教育改革と教員のキャリア問題―大阪市の新自由主義的教育改革の事例から)
“しんどい学校”の教員文化から見えてきたこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
k.ichihara
3
いわゆる貧困層が多い地域の学校の教員文化について社会学的調査を行った研究書。規範重視の指導と、共感ベースの指導との間の葛藤など教育現場のリアルを捉えている。学校の荒れが問題になる時、規範の厳格化に傾きがちである。実際、教員に叱る力がないと何でもありの無秩序状態が容易に生み出されてしまう。一方で、ルールを逸脱する子どもは、何らかの理由を抱えている。そこへの理解がなければ厳格化は弱者の排除につながる。厳格化と共感とのバランス感覚を教員は職場文化として獲得していくという私の認識に、極めて近い結果を示している。2020/03/05
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