内容説明
日本語が母語ではない子どもたちにとって、母語の存在は、言語学習の側面のみならず、自尊感情やアイデンティティ、親子関係にも大きく影響する。中国ルーツの子どもの多い小学校、ベトナムルーツの児童が少数在籍する小学校で行われてきた母語と日本語の二言語教育の実績から、日本語が母語ではない子どもたちへの「何もなくさない」全人的な教育に対する姿勢や環境整備のあり方を提示する。
目次
第1部 総論(本書の目的と研究概要
日本国内と大阪の外国人児童生徒の言語教育
定住二世児の継承語と日本語の関係とその評価
中国語版対話型読書力評価の開発)
第2部 「しんどい」集住地区の子どもたち(定住二世児の二言語能力の縦断研究
家庭言語環境調査から見える子どもの二言語能力―1年時と6年時の保護者へのアンケートとインタビューを通して
公立小学校における母語・継承語を使った日本語指導―中国ルーツ児童を中心に)