内容説明
中世和歌における本歌取の概念を捉え直し、隠された表現意識を明らかにしたうえで、古歌を再利用するという方法の不可逆的な「展開」を提示。心を切り離した断片的な詞を再構成して新たな表現を生み出す古歌取の意義を再評価し、新古今時代以降の和歌が方法論的に展開した真の理由を、「めづらし」の理念のもとで解き明かす。創作行為において過去からの影響をいかに積極的に変換するか。古典主義のゆくえと「芸術」への解。
目次
「本歌取」とは何か―「新古今時代」における古歌再利用意識の諸相
1 「めづらし」の詩学と“擬古典主義”(藤原為家の「古歌取」論
藤原為家の和歌と“擬古典主義”)
2 “擬古典主義”への順応と反動(錯綜する「本歌取」
「心詞」の再利用可能性)
3 「本歌取」論のパラダイム形成(解体する「本歌取」―『井蛙抄』に見る頓阿の分類
中世「本歌取」論の帰結―『愚問賢注』と『近来風体』の分類
ポスト新古今時代の和歌システム)
終わりに 「相も変わらぬことを前より少しだけましにやること」の芸術学のために
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