内容説明
わが国の事務管理制度の源となった大陸法,とりわけドイツ法を丹念に分析・検討し,その変遷過程を明確化するとともに現代における再構成のための前提を析出する.また本制度を有さない英米法における議論状況にも比較法的な観点から分析を加え,多角的に検討する.そのうえで,予想されるわが国の民法改正の動向の中で,本制度がどのように改正されるべきかを念頭に置きつつ課題を明示する.
目次
第1部 ヨーロッパ大陸における事務管理法(近時のドイツ判例の動向と学説の反応
ドイツ民法の起草過程
ヨーロッパ事務管理法の提案と学説の反応)
第2部 英米法における事務管理に対応する機能(救助義務の可否―法と経済学からの政策的検討
アメリカ回復法リステイトメント(第三次)(2011)―事務管理及び支出利得類型の比較法的定位)
第3部 日本の事務管理法(第三者弁済―介入の促進と本人保護の要請との調整
救助行為
行政代執行
支出利得
日本法の課題)