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内容説明
日本とは何か。日本の独自性とは何なのか──。
古代以来、日本人は〈日本文化論〉を繰り返してきた。
神国思想、中国へのアンビバレントな意識、遠きインドへの憧憬。
空想と現実、劣等感と優越感、自国肯定と排外意識のあいだで
〈日本的なるもの〉をめぐるイメージは揺れつづける。
吉備真備の入唐説話から、天竺を目指して死んだ高丘親王、
空海いろは歌作者説、やまとだましひと肉食忌避まで。
圧巻のスケールで描く「日本の自画像」千年史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
17
我が国自画像の変遷を詳細に論ずる。古くは全世界を本朝震旦天竺の三国と規定した上、我が国を卑小な粟散辺土とした古代から、次第に生ずる神国観や小中華意識。仏教を通じた天竺観は素朴な憧憬から、国土や寺院が天竺から渡ってきたとする素朴な神話をも生み出す。固有文字の非在から生ずる古代文字等は巨大な中華への劣等感からくる心理的補償だった。武士の台頭で「やまとだましひ」語義が変容する武威の国意識等興味深い。但し中国=世界の中心との原意を述べつつシナを「中国」呼称で一貫する事、「韓半島」と阿る著者の記述姿勢には違和感も。2023/06/15
わたなべよしお
17
「神国」日本の成り立ち、日本に固有文字がないことへの対応、「大和魂」の意味の変遷など。随所にとても興味深くて、「へぇ~」と感心する内容がふくまれているが、全体としては「だから何?」と突っ込みたくなる。というのも割とだらだら説明が続く点と近現代へのつながりがないのがのが原因だろう。「今」にどうつながるのか、がないと、面白みも半減するし、ただ単に調査しましたということになってしまうからだ。まぁ、それでも読む価値はあると思う。2022/10/21
R
2
「日本」とは何なのかをこの国の先人たちは考え続けてきた。中国の多大な影響を受けつつも,「日本」の独自性を明らかにしようとしてきた。「日本」が特別な国であると記述し続けてきた。ただそれはあくまで特殊なこの国を説明するものであり,普遍的なシステムになるものではなかった。「日本」の特殊性を誇れば誇るほど,世界基準からは乖離していく。つまり他国にはエキゾチックなおもしろい国となっていく。2022/02/24
Oltmk
2
前近代に形成された大和魂・神国思想・中世神話・排外主義などが日本史においてどのように変遷・形成を辿って行ったのかを探る大書。現代日本における多くの言説の淵源が前近代に形成されていったのかを理解できるし、豊臣秀吉や本居宣長などの歴史に名を残す人物たちに対してブラックジョーク的な理解を得られる書籍となっている。古代日本から江戸時代までの前近代の思想を辿ることが出来る書籍にもなっており、この大書を書き上げた著者に感謝したいです。2022/01/29
ozmaax
0
日本的なるものについて体系的に解説された物にで会うのは初めて。色んな物言いのルーツを見る気分だ2023/11/28
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