内容説明
子犬ルーミーは愛と笑いを連れてやってきた。
幼くして母と死に別れ、半年前に最愛の父も亡くした12歳の少女オリーブ。
会ってまもない異母姉のモーディと新しい生活を始めることになる。
「大きく暮らす」を合言葉に、幸せに暮らせる方法を姉と一緒に模索する新生活は、とまどうことも多いけれども、発見も多い。
そんなとき、犬好きが高じて盲導犬の子犬を育てることになる。
「うわあああああああああ」
子犬を見たとき思わず叫んでしまった。
そのかわいさったら、もうたまらない。
犬は、奇跡のようにすばらしいフワフワの毛の生きもの。
パピーウォーカーとしての10か月は、
めちゃくちゃ幸せな時間になるだろうか?
子犬ルミーの10か月の成長をオリーブの視点で追いながら、彼女自身の成長も描きだす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆーかり
15
父親を病気で亡くし異母姉のモーディーと暮らすことになった12歳のオリーブ。ほぼ初対面だったにもかかわらずモーディーはとても優しくて理解があり、犬好きのオリーブに盲導犬を育てるきっかけを与える。子犬のルーミーを預かることになったオリーブはパピーウォーカーとして奮闘。前向きで自信に満ちているのがアメリカっぽい。モーディーは多分20代かと思うがかなりの出来た人間。シェアハウスの皆も親切。立派な盲導犬になると誰か必要とする人の所に行くためお別れしないといけないのが辛いね。犬は癒やし、そして盲導犬は本当に偉い。2025/01/16
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
『おすすめ!世界の子どもの本 2022』JBBY選 で紹介されている読みもの。 両親を亡くし、初対面の異母姉モーディと暮らすことになった12歳のオリーブ。犬好きのオリーブはパピーウォーカーに興味を持ち、子犬のルーミーを預かることに…。 【身近なだれかによりそうーペットと暮らす】2023/05/04
joyjoy
8
久しぶりのジョーン・バウアー作品。元気をもらう。主人公オリーブ、新しい学校でも、先生の質問に自分から手を挙げて答えている。なかなか希望は持てなくても、自信は感じられる。愛されて育ったんだな、と分かる。生前の父親の言葉や、彼の生き方そのものからも、多くを学んできたことが分かる。また、盲導犬ルーミーを育てることで自分も成長。訳者あとがきにもあったが、自分とルーミーとの関係に、父との関係を重ね、新たなことに挑んでいく力にしていくところがよかった。2022/04/12
shoko.m
3
父親とふたり暮らしだったオリーブは、父が亡くなったあと、義理の姉のモーディーと暮らすことになる。引っ越してシェアハウス住まいになったオリーブが出会ったのは、子犬のルーミー。盲導犬候補をそだてるパピーウォーカーにならないかと声をかけられたオリーブは、モーディーや同居人たちの許可を得て、ルーミーを育て、訓練を行う。父親から教わったことを生かしつつ、悩み迷いながら成長していくオリーブとルーミーの様子が(なぜかわたしまで)誇らしい。そういえば、近所に住む友人が同じように盲導犬を育てていたのを思い出した。2023/09/06
シエロ
2
唯一の家族の父を亡くしたオリーブの元に異母兄弟のモーディーが表れる。二人の間に妙な距離間はなく、むしろパピーウォーカーをしたいというオリーブのアイデアに同調し積極的にサポートをしてくれる。お父さんと死別した後なのに、子犬のルーミーと一年後どうやって別れるの?そんな疑問を跳ね除けるようにルーミーをしつけ、世話するオリーブは逞しいもの。ルーミーが立派な盲導犬になることを踏まえて育てるのが本来のパピーウォーカーのあるべき姿なのだと気付かされた。また子犬を迎えるという二人らしいラスト。子犬なしじゃ生きられない!2023/02/10