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内容説明
ガバナンス(組織の統治)とは、組織としての方向性を定め、メンバーを従わせるための工夫のことであり、あらゆる組織を維持していくのに不可欠である。なぜ欠かせないのか、ガバナンスが不十分だとどうなってしまうのかを、たびたび不祥事を起こして話題になってきた日本相撲協会をはじめ、仏教寺院、学校などのNPO(非営利組織)に加えて、練習中の暴言、暴力等で問題となっている全日本柔道連盟も例にとってわかりやすく説明。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
24
図書館で偶然見つけたアタリ本。ガバナンス入門といっても堅苦しくなく、NPO・お寺・大相撲・学校など、株式会社でない組織が、どのように運営されているのかをわかりやすく紹介。興味本位でも最後まで気軽に読み通せる。2021/12/21
ちくわん
8
企業に比べてガバナンス(統制)が効かなくなりやすいNPOを分析した本。相撲協会、寺、私立学校の組織をみる。確かに、確かに。当たり前に、あると思っていた、組織が永続的に維持できるパワーが、実は今ないことを明らかにする。もっともと思いつつ、自分自身が、まだできそうなことに奮う意地を見せつけられるか!勉強した。 2018/11/28
Kentaro
6
頻繁に不祥事を起こす大相撲はなぜ、同じような過ちを繰り返すのだろうか。それは、組織の大きな方向性を定め、執行機関である理事会をチェックする機能を担う評議委員会の評議委員が、相撲協会の興業を担当し、現役引退後の収益モデルを担う年寄りであることにあり、執行と企業統治が同じ人間で構成されていることで本来のガバナンス機能を有していないことにある。 ガバナンスとは執行者のお目付け役であるはずなのにその機能をマッチポンプで機能不全に落としてていることに原因がある。ガバナンスが機能しない会社は、雪印しかり、恐ろしい。2018/04/12
Ai Ikeda
4
中身は主にNPO法人のガバナンスの難しさを説明している。この著者の経済学的な視点での考え方もそうだが、相撲協会、宗教法人、学校法人、障害者施設などを例にとった組織の内情なども非常にわかりやすく、新たな知識として興味深く読めた。唯一難点を挙げるとすれば、タイトルが少し盛り気味で中身と一致していないような気がする。2014/08/11
アンディ・ワイス
1
筆者は本書刊行時に慶応大学商学部の教授。NPO、大相撲、お寺、学校、障害者施設のガバナンスを取り上げている。組織のガバナンスという点ではみな同じということ。経済学のアイデアをガバナンスの話で活用しようとしているのはちょっと煩わしい。2023/08/11