岩波現代文庫<br> 「無罪」を見抜く - 裁判官・木谷明の生き方

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紙書籍版価格 ¥1,848
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岩波現代文庫
「無罪」を見抜く - 裁判官・木谷明の生き方

  • 著者名:木谷明/山田隆司/嘉多山宗
  • 価格 ¥1,848(本体¥1,680)
  • 岩波書店(2021/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006033200

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内容説明

有罪率が非常に高い日本の刑事裁判.一方で,死刑などの重大事件で,再審の結果,無罪となるケースも出てきている.在職中,いくつもの無罪判決を出し,そのすべてを確定させた裁判官は,いかにして無罪を見抜いたのか.被告人,証拠と向き合う姿勢,裁判官と検察の関係などを率直に語る.現在の日本の司法制度を考える際に必読の書.

目次

岩波現代文庫版「はしがき」(木谷明)┴まえがき(木谷明)┴第一章 古里と疎開 囲碁棋士・木谷實、父からの期待┴父は囲碁棋士・木谷實┴古里の記憶┴国民学校に入学┴父の応召と空襲┴疎開暮らし┴空襲で自宅焼失┴戦後の暮らし┴国民学校分校に転入┴「パシリ」生活┴思い出の先生┴囲碁と才能┴内弟子たち┴内弟子との生活┴家族より内弟子?┴母のこと┴勉強で〝秘密特訓〟┴第二章 法律家を目指して 高校での猛勉強と東大での反動┴平塚江南高校へ進学┴入学時成績一番┴東大に合格┴猛勉強の反動┴法学部の教授陣┴司法試験に挑む┴なぜ裁判官を志望?┴大手銀行に内定┴司法試験合格┴司法修習時代に結婚┴進路を考える┴研修所の同期┴第三章 師との出会い、人生の転機に 裁判官の基本を磨く┴判事補任官、刑事部へ┴勾留請求却下の日々┴公判部に配置換え┴「人生の師」との出会い┴めでたく民事部へ┴田宮裕先生と同じ電車に┴民事部は「面白い」┴最高裁事務総局刑事局付┴局付は課に一人┴緊張した「局議」┴勉強の成果を本に┴職場でのお酒┴刑事局の面々┴「刑事裁判で生きる」┴第四章 平賀書簡問題 「手紙届いた」福島重雄判事から相談┴札幌勤務┴刑事のはずが民事に┴平賀書簡問題の発端┴福島判事をなだめる┴裁判官会議で議論┴所長処分を報道陣に発表┴「福島処分」が問題化┴白鳥事件┴スポーツと旅行┴「大激動」の札幌時代┴無罪判決┴富士高校放火事件┴皇居乱入事件┴名古屋勤務┴裁判のやり方に戸惑う┴通勤と私生活┴若手を育てる┴中日スタヂアム倒産に絡む特別背任事件┴第五章 最高裁調査官に 〝黒衣〟に徹した五年間┴転居めぐり妻に苦労┴アジア極東犯罪防止研修所┴最高裁調査官への内示┴最高裁調査官の仕事┴事件を「配点」するシステム┴調査報告書┴調査官室の「研究会」┴裁判官による「審議」┴調査のやり方と対象┴判決を起案する┴調査官解説┴大法廷回付の判断┴個別意見は誰が書く?┴第六章 憲法判例をつくる 「四畳半襖の下張」『月刊ペン』など┴「四畳半襖の下張」事件が配点される┴裁判長が「棄却以外ない」┴「判断方法」で判例抵触を避ける┴すんなり研究会を通る┴小法廷の審議┴死刑について┴「四畳半」と憲法┴「壁」が厚い大法廷回付┴『月刊ペン』事件の第一印象┴実際は「木谷判決」┴「刑法解釈に専ら関心」┴エンタープライズ寄港阻止佐世保闘争事件┴個別意見も書く┴事実上の大法廷審議をする「小委員会方式」┴第七章 最高裁における事実認定審査のあり方 誤判・冤罪を防ぐ┴事実認定で苦労した事件┴別件逮捕の判例を作り損なう┴第八章 調査官時代の思い出の事件 調査官解説は二五件┴鹿児島夫婦殺し事件と「柏」事件┴その他の事件┴「刑事調査官室の手引」┴第九章 三〇件に及ぶ無罪判決 被告人の言い分に耳を傾ける┴大阪高裁判事に┴元被告人からの贈り物┴すごく燃えた事件┴無罪を示唆して差戻し┴研究会 大阪刑事実務研究会など┴浦和地裁へ┴裁判官転勤考┴初の部総括┴浦和時代の無罪判決┴取調べの可視化┴覚せい剤の尿のすり替えが?┴なぜ浦和で立て続けに無罪判決?┴覚せい剤共同譲り受け事件┴嬰児殺事件┴近接所持の事件┴木谷コートの議論┴無罪判決の意義┴無罪判決を書く時の注意点┴無罪判決の前の迷い┴第一〇章 調布事件と少年の更生 「おかしいものはおかしい」┴東京高裁時代┴少年事件の制度的な問題点┴水戸地裁所長に┴判事の人事┴時期はずれの東京転勤┴第一一章 マイナリ事件、そして大学教授、弁護士 〝冤罪の駆け込み寺〟を┴マイナリ事件┴勾留を求める申立てを斥ける┴検察庁・検察官の問題点┴裁判所・裁判官の問題点┴なぜ有罪判決九九・九%┴「検察官司法」┴依願退官、公証人に┴ロー・スクール教授に┴法科大学院の問題┴〝冤罪の駆け込み寺〟を┴あとがき(山田隆司)┴解説(門野博)┴木谷明年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

22
『イチケイのカラス』というドラマが始まり、刑事事件の「捜査」をする裁判官の話だと言う。あり得ないと思っていたら種本があると言うので読んでみた。刑事事件で多くの無罪判決を書き、しかも殆ど控訴されていないと言う木谷明元裁判官へのインタヴュー。話し言葉で読みやすく、刑事で起訴されれば99%以上が有罪、ずさんな捜査を鵜呑みにした論理的におかしな判決がまかり通る現状への憤りがまっすぐ伝わって来る。「捜査」はTV局の話題作りの勇み足だが、裁判官にできることはたくさんあるのだと理解できた。 2021/05/02

ねお

17
30件の無罪判決を出した一裁判官の人生が痛烈な裁判所批判になる点こそ、日本の刑事司法が「絶望的である」とされる所以である。制度は「人間というのは必ず間違いを起こす」という前提でできているのだから再審の門を広げるべきであり、通常審で冤罪を生まないために証拠を開示し手続を透明化した上で、検察の主張や証拠に批判的検討を加え、被告人の言い分に耳を傾け、少しでも疑問があれば事実調べをし、最高裁も法律審であっても事実認定への間違いが冤罪を生むものであれば正すべきだとの木谷先生の論はどこまでも素朴な正義感に沿うものだ。2020/12/28

ichigomonogatari

6
起訴されたら99%有罪と言われる日本の刑事裁判で30件もの無罪判決を出した異色の裁判官木谷明氏。彼へのロングインタビューを通じて、日本の検察や裁判制度の問題を浮かび上がらせている。「疑わしきは被告人の利益に」を信条としてに冤罪を防ごうと真摯に事件に向き合ってきた木谷氏の姿に感銘を受けた。2020/05/31

takao

0
ふむ2021/07/24

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