内容説明
冷静で細やかな観察,才気煥発な筆致によって,わが国随筆文学を代表する一書として,本書はあまりにも有名である.一段一段の文章から,平安時代の生活と感覚の具体相を,万華鏡を見るようにうかがい知ることができ,また筆者と中宮定子との美しい魂の触れあいが,この草子の文学的香気をいっそう高めている.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
凡例┴清少納言 枕草子┴校異┴解説
感想・レビュー
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NAO
64
私は、299段の白楽天の「香爐峰の雪」にまつわる話や、102段の他に類のない扇の骨をくらげの骨と言ったという話など、清少納言が自分の知識や機転をひけらかすようなところが、本当に嫌いだ。ただ、151段「うつくしきもの」の幼子が小さな手で小さなゴミをつまみ上げるしぐさがかわいいといったり、223段「五月ばかりなどに山里にありく」の青々とした初夏の草の匂いが立ち上がってくるような描写には、清少納言の繊細な感性がよく表れていると思う。2017/04/04
弟子迷人
27
面白いバックグラウンドを読んだので、ついったーへの抜き書きですが、もし見えましたら、どうぞ。 https://twitter.com/deshimeijinn/status/729672073052721153 ん、リンクにならんな。2016/05/10
双海(ふたみ)
24
ぱらぱら見ていました。註が少ないですが、そこは想像力で・・・。どうしても知りたかったら古語辞典を。「草は 菖蒲。菰。葵、いとをかし。神代よりして、さるかざしとなりけん、いみじうめでたし。・・・」2015/02/05
カブトムシ
23
「源氏物語」と並ぶ平安文学の傑作。内容は、自然、人情、世相とあらゆる事象にわたっている随筆文学である。作者は、清少納言(せいしょうなごん)。名は、清原家の清と宮仕えの呼称、少納言による。中宮定子に仕えた。父元輔は、「後撰集」を編さんした文人。勝ち気で、機知に富み、ユーモアを好んで、ものにこだわらない性格は、父親ゆずり。「源氏物語」の作者の紫式部と同時代に育ったが、交際はなかったらしい。式部の文には「あはれ」が多く、少納言は「をかし」を多用している。このため、式部はウェット、少納言はドライという評価もある。
蛸墨雄
8
声に出して読むと、とても気持ちのいい。この短文、この同じ言葉の連続。いいなぁ。古文の文法一から学ぼうと思う。2019/03/08