内容説明
「恥辱を与えて殺害せよ」――ソ連国家保安省内の殺害実行機関SMERSH(スメルシュ)へ、死刑執行命令が下った。標的は英国秘密情報部の腕利きのスパイ、007のコードを持つジェームズ・ボンド。かつてソ連側に敗北をもたらした彼を陥れるために、SMERSHの作戦計画立案者が送りこんだのは、英国秘密情報部が飛びつくに違いない、魅力的な餌を抱えた国家保安省の美女だった。ヨーロッパとアジアが交わる混沌の都市イスタンブールやオリエント急行を舞台に、巧妙に張りめぐらされた二重三重の罠。最大の危機がボンドを襲う! 新訳で贈るシリーズ最高傑作。/解説=戸川安宣、小山正
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
57
シリーズ第5作。白石朗の新訳で読んだ。ロシアのスパイ暗殺機関「SMERSH」がジェイムズ・ボンドの「死刑」を宣告する。そのために美女に弱いボンドの欠点を突き超美人の伍長タチアナを送り込み誘惑する。ところが二人は仕事を忘れて愛し合いオリエント急行でコンスタンチノープルからロンドンまで帰るその途上で様々な事件が起きる、という物語。本編でのスペクターという暗号機が映画では国際犯罪機関という超悪者になっていたと記憶する。シリーズ代表作とあっておとぎ話としてもしっかりとした構成で読みごたえがあった。推理100。2022/10/31
NAO
56
ソ連の殺人実行機関スメルシュが死刑執行命令を下した標的は、ジェームズ・ボンド。用意されたのは、とびきりの美女とスメルシュの首席死刑執行官。主役たるジェームズ・ボンドが登場するまでがかなり長いが、ボンドが登場すればスリリングな場面が最後まで続く。軽い映画向けのエンターテイメントだが、以外なラストに驚かされた2022/11/12
くさてる
27
旧訳版で既読のはずだけど、新鮮な気持ちで読めました。とにかく「面白ければ細かいことにはこだわるな」精神で、ぐいぐい進んでいくのが別の意味でも面白くてしかたがない。しかしそれもまた007の味だなあと思うのです。こけおどしに近いほどのハッタリ感やサービス精神がふんだんにあって、やりすぎなほど。これが受けてたのはそういう時代なんだなとも感じました。面白かったですよ!2022/03/26
加納恭史
18
さすがに「法華経」は難しいので、この娯楽本でひと休みする。懐かしい米ソの冷戦の時代を想い出す。映画の記憶も遠のいたが、女優ダニエラ・ビアンキはなかなか美貌だったな。この小説では冷戦下の米ソのスパイ謀略戦をシリアスに描いている。敵に打撃を与えようとその作戦を練るソ連邦の保安省や殺人実行機関SMERSHの緻密な検討に驚く。その謀略とは英国情報員007を女で誘き寄せて、殺害することにあるのだ。その作戦の手配はSMERSHのローザ・クレップで映画ではなかなか憎々しい女だった。餌になるのはその組織の伍長の女。2022/01/26
しゅー
7
★★007は小説と映画で全く違うと昔から聞いていた。映画はTVで目にした程度だが、クールでタフな主人公・アクション満載・ボンドガールといったところか。小説はテンポがゆっくりで、第一部は敵役のロシアでの作戦準備がじっくり描かれ、ボンドの登場は第二部だ。そう言えば中島らもも、フレミングの小説は大半が退屈なのに終盤で急に面白くなる、みたいな話をしていたな。確かに舞台がイスタンブールからオリエント急行へと移る終盤は引き締まった展開。ボンドがスーパーマンじゃないのも良い。あまりに英国的でスノッブな雰囲気を味わえる。2022/07/02
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