講談社現代新書<br> 頼朝と義時 武家政権の誕生

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講談社現代新書
頼朝と義時 武家政権の誕生

  • 著者名:呉座勇一【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2021/11発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065261057

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内容説明

なぜ日本では武士優位の社会が生まれたのか? 朝廷と交渉しつつ、したたかに武士の権利を拡大していった、源頼朝、北条義時の軌跡。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

144
政治家にはその集団の理想を掲げて象徴的代表に仰がれる者と、組織運営や課題解決にあたる実務者とがある。頼朝は双方を兼備した大政治家であったからこそ、東国の武士をまとめて史上初の武家政権樹立を成し遂げた。しかし彼の死後、頼りない後継の頼家、実朝に動揺する鎌倉幕府を実務者の義時は懸命に支える。源氏将軍から親王将軍への転換も、担ぐ神輿が立派ならかまわないとの義時の冷静な判断だろう。これに対し古来からの朝廷権力を信じて疑わない後鳥羽上皇は、理想を求めて現実を見ていなかった。両者の衝突は現実側が勝って当然だったのだ。2021/12/13

六点

122
本来なら,本年度NHK大河ドラマの時代考証担当による、わかりやすい副読本になる予定であった一書。公武対立史観を批判し、井沢元彦氏を『定説の日本史』と当てこすったりするなど、「そういうところだぞ」と言いたくなる所もあり。最新の成果を元に、「国民的悲劇」の古典である所の『平家物語』と、それに対置される鎌倉幕府の成立を、現在の研究成果で描き直せば、「義経は強すぎた故に関東武士に見放された」など、この時代については知識がアップデートされることは間違いない。是非ご一読をと、お勧めする。2022/01/29

ばたやん@かみがた

115
《二人は何が傑出していたのか》武家政治を確立させた二人の政治家。彼らの果たした歴史的役割を政治的実績から紐解いて行きます。/頼朝は、東国に独立政権を打ち立てる意思など更に無く、まず源氏の棟梁としての地位を確立させ、朝廷・皇室に認めさせるのが第一にあった、とします。当初ライヴァル関係にあった各地の源氏を叩き、また範頼・義経といった弟たちを粛清して行った理由もそこにあります。また、この帰結として朝廷とは正面切って争わず絶えず妥協点を見出だそうとする姿勢につながります。(1/3)2022/09/18

南北

86
「鎌倉殿の13人」で興味を持ったのと、著者の「陰謀の日本中世史」が面白かったので読んでみた。スターリンに例えられることもある頼朝が意外と情に厚いところがあるなどを「吾妻鏡」等の資料を批判的に読むことで解明している。今の教科書では1185年となっている鎌倉幕府成立もあまり根拠がないという指摘は興味深かった。後半は北条義時の生涯を追うことで頼朝以後の時代が頼朝の時代とどう変化してきたかが理解できたと思う。戦前は承久の乱が原因で悪人とされた義時に対する見方は一面的でしかないのだと再認識できたのは良かった。2022/04/27

チャーリブ

71
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に触発されて読んでみた。一言で言うと頼朝や義時、あるいは鎌倉幕府の成立に対して漠然と抱いていた先入観が揺らぐ内容だった。たとえば、従来言われているように頼朝は冷酷非情な人物というよりも非情な面と感激屋の面を併せ持つ二面性の人物らしいことなど。これはドラマの「鎌倉殿」にも反映されているかもしれない。ドラマはドラマだが、実際のところ彼ら二人が幕府創成期にどのように考え、行動したのか。著者の理解はおおむね妥当かなと思った。義時は相当の強運の持ち主だったらしい。○2022/02/21

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