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内容説明
職場のいじめで
精神障害を発症した件数が、
この11年で10倍に!
膨大な数の「いじめ・嫌がらせ」相談を受けてきた著者が、
実例を紹介しながら、その背景を分析。
長時間労働、重い仕事の負担……、
過度な圧力に晒された職場で、多発!
●9年連続で、「いじめ・嫌がらせ」が労働相談1位
●トヨタ、三菱など大企業で相次ぐ、いじめによる自死
●いじめのある職場は、長時間労働の割合が2倍以上
●約5割の会社が、いじめを放置
●過酷な職場で起きる、ガス抜きとしてのいじめ
●いじめが一番多いのは、「医療・福祉」の職場
●「発達障害者」へのいじめが、5年で5倍に増加
●「生産性」の低い労働者が、「いじめても良い」対象に
●近年の職場いじめは、経営の論理を内面化した同僚らによって、「自発的」に行われる
●会社・上司に相談する前に、「録音」など証拠集めを
職場いじめは、日本社会の構造的問題だ!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
130
いじめの具体的内容、労働環境との関係、職場に与える効果を検討。収録案件はどれも"今すぐ社外の労働相談口へ!"的なハラスメントの典型例と改善への苦難の道で表現や構成が平明で読みやすい。競争規制が脆弱で合理・資本主義が先鋭化した今日の日本はいじめも発達障害も労働環境の過酷化が大きな根源となっており、やり口も子供じみた次元へ退行する。「経営服従型いじめ」は本書の重要概念。利潤・統制追求へ走る会社側に放置するデメリットを自覚させるために、他人任せをやめた労働者の権利行使を訴える結びが全体主義風刺と重なるのは必然。2023/05/11
kinkin
121
いじめ・・・・私もある若造からガン無視され中。でも他の人とはそんなに気まずくないのでいじめと呼ぶには大したことがないかもしれない。大人のいじめ、本を読むと面白がるいじめもあれば、パワハラまで実に様々なのがある。それが介護や保育、教師などに多いようだ。その背景にあるのは日本という国が変な成果主義やマニュアル主義を唱えるようになってから増えた気がする。仕事が本来の仕事よりかけ離れたルールや人芸関係のほうが主になってきているのではないかな。仕事から帰ってくると体よりも心の疲れが大きいのは私だけ?図書館本2021/12/09
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
87
良書。『大人のいじめ』といっても、地域やネットのいじめ等は無く、職場のものに限っているので『職場のいじめ』が正しいタイトルかも知れない。故に勤め人は必読。本書によると、今や労働相談の大半はいじめ・ハラスメントだそうである。正直、暗い関心で読み始めたのだが、数々の実例を読むとつらくて気の毒でならない。いじめの多い職場の筆頭が保育・介護だそうだが、これは私も実感としてわかる。多いのだ。基本的に介護の問題は利用者より介護者による所が大きい。見過ごせないのが職場での発達障害いじめ。酷い。世に本当の大人は稀なのだ。2021/11/25
GAKU
46
職場で発生するイジメは、企業体質に大きな要因があると実感した。2022/03/23
まゆまゆ
18
人格を否定したり暴言を吐いて精神的に追い詰めたり、仲間はずれをしたりなどといった職場で起こるハラスメント、すなわち大人のいじめはなぜなくならないのか、を様々な事例を紹介しながら考察していく内容。みんな職制や職域に関わらず仕事と割り切って仕事をしている中で、その他ストレスを身近な人に対して向けている、ということだけが原因ではない。もっと根本的な何かが隠れている気がするけど……現状では外部に相談するしか解決策がなさそう。2022/04/05