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内容説明
現代における「詩」の本質とは? 世界最高峰の詩人の1人、吉増剛造が60年の詩業の果てに辿り着いた境地を縦横無尽に語り尽くす。
現代最高の詩人による究極の詩論、ついに登場! 世界大戦、原爆、そして3.11。数多の「傷」を閲した現代における詩の意味を問う。いわゆる詩人の範疇を超え、カフカ、ベケット、石牟礼道子などの「書いたもの(エクリチュール)」へ。さらには文学さえも越え、ジョナス・メカスの映画、ゴッホの絵画、そして音楽にまで。縦横無尽に芸術ジャンルを横断し、あらゆる芸術行為の中に「詩」の真髄を見出す。詩の根源、すなわち「芸術」の根源へと肉迫する稀有の作品。
目次
序――こわいようなタイトルのこの本に
第一部 詩のさまざまな「姿」について
第一章 詩のほんとうの「しぐさ」
第二章 「戦後詩」という課題
第三章 根源の詩人たち
第四章 純粋な「音」のままで立ち上がる「詩」
第二部 詩の持つ力とは何なのか
第五章 「若さ」、「歪(ひず)み」
第六章 「バッハ、遊星、0(ゼロ)のこと」など
第七章 根源的なハーモニーへ
第三部 実際に詩を書くときのこと(Q&A)
おわりに――記憶の未来について
ほんの少し、爆発的で、ときに全力疾走もする即興的な「詩」の根拠――あとがきに代えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
62
この本を読んで、詩とは何かと明確に論ずることができるひとはおそらくとても少ないと思われる。ただ、絵画や小説など、ほかの芸術との共通項を考えれば、頭で考えて書くというよりより身体的な何かが発露したときに出来上がってきたものが詩なのではないだろうか。そういうもののほうが長くひとびとの心に残る。いろいろと作中で示してくださっていることがらから、それくらいしか私は読み取れなかった。2021/11/24
岡本 正行
30
詩そのものは好きだが、この本の描きぶりは、難しい。和歌や俳句は、それなりに感性に訴えかける。詩となると、難しい。外国の詩は、日本語に訳すると、それは日本の詩であてt、原材料が外国というに過ぎない。詩も、石川啄木や萩原朔太郎、いろいろと素晴らしい作家がいる。変にイデオロギー的な詩の作家は、その意図するところが見えすぎるため、感動しない。他人によって見方、感じ方はことなるだおうけど。2022/01/28
踊る猫
29
実にたくさん読み、そして考える勤勉な人だという印象を持つ。それはしかし見栄やハッタリではなく、彼自身の内的な必然性ゆえだろう。ここまで多彩な本を読みながらも、語る言葉は(いや、その読書癖ゆえにこそ?)わかりやすい。偶然がもたらす一回性の奇跡に打ち震え、そして常に頭が真っ白になってしまう「非常時」を経験しつつ、それでもなお書き記す。すると、そうして追い詰められて自らの中の自明な言葉やロジックまで真っ白になってしまった境地から思いもよらない何かが浮かび上がる。このインプロヴィゼーションが彼の詩にスリルを与える2023/08/17
フリウリ
21
吉増さんの詩に、まあまあ親しむ者としては、全編、とてもわかりやすい日本語、文法ですが、第三部のQ&Aでは突如「吉増節」が炸裂し、安堵しました(笑)。「詩とは何か」という難問を、吉増さんは多方面から考えていて、その思考の道のりを簡単に理解できるはずがないけれど、考えさせられます。吉増さんは、芸術におけるウソ=フィクション性を徹底的に拒否する、と述べていて、これは荒川洋治氏の「詩のフィクション性」を重視する、という考え方の対局にみえますが、「詩的」には同じ方向(=強度?)を目指しているのでは、おもいました。82025/07/16
原玉幸子
20
詩は、決まりや基準から逸脱した感情や感性をそのまま取り出す手法で、絵画で言えば抽象画に似ていると思っています。故に「この詩は○○がいい」と紹介されても戸惑うばかりで、詩は鑑賞より創作の方が精神的には落ち着きます。著者はを外国語を時々引き合いに言語学の観点にも言及し、又創作の動機に就き「絵画や音楽に通じるものがある」と語っていて成程なぁと感心したのですが、残念乍ら、詩の創作者らしく相手に伝えるより自身の発信を大事にする嫌いがあるのか、表現も文章も文体も総じて読み辛く不親切な新書でした。(◎2022年・春)2022/03/05
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