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内容説明
「世界に冠たる日本の医療」などと、医療提供体制の充実ぶりを誇っていた我が国が、なぜ、世界的には「さざ波」程度の感染者数増加で、このように簡単に医療崩壊を起こしたのか、その謎に迫る。
7人の容疑者(原因の仮説)を挙げて、一つ一つ謎解き仕立てで話を進める。現在、国民の間では、なぜ、こんなに簡単に医療崩壊が起きたのか、一部の医療機関が頑張る中で、まったく何もしていない医療機関があるのはなぜなのか、医師会や専門家会議はなぜ、緊急事態宣言で経済をストップすることばかり提言するのかなど、医療提供体制への不信感が渦巻いている。まずはそれらへの疑問に答えるのが本書の目的である。
また、今後もしばらくウィズコロナの時代が続くので、パンデミック時の医療崩壊を防ぐためにどんな手立てがあるのか、アフターコロナ時代の平常時の医療をどのように改革すべきかという点も議論、政策提言を行う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西
15
診療報酬の改定だけで国が思うような医療に導いていくのは難しいなと思う。既得権益をもった人、団体が多すぎて、なかなか国家的な危機に対応できない。それぞれはそれぞれの立場をまず守ることに必死だから。どんな組織、システムもそうなんだろうけど、立ち上げる時にどれだけその後に起きることを想定して備えておけるかが大事だなと。今の日本の医療を最適化するにはいったんつぶすしかない感じに問題山積み2022/04/14
(ま)
2
有事に機能不全を起こし続ける張り子の虎 失政と既得権益とリーダー不在と・・・第6波でも改まらないんだろうな・・・2022/01/06
miu_miu
1
コロナでの医療崩壊の原因を分析しています。最大の原因は政府のガバナンス不足で、これは容易に想像がつきましたが、地域でも病院間の不連携・非協力体制が同様に大きな問題。尾身氏が理事長を務めていたJCHOのコロナ病床の少なさが指摘されていたように、大病院かフル稼働できないことも原因。これらすべて、危機を想定して具体的に準備していない、動かすような仕組みが構築されていない、ということです。現場頼みの会社と同じです。ゴマすりと保身の互助会で経営陣が決まる日本のガバナンスの問題そのものですね。2022/11/29
aki
1
「真犯人は誰だ」って政治家と厚労省でしょ。結論はわかっているが、それなりにおもしろく読めた。コロナ以前と以後は、まったく局面が変わった。以前に立てた政策を後生大事に守っていては、これから来る「一大事」についていけんぜ。国民が、さらに犠牲になるだけ。たとえば自衛隊病院の削減が計画通り進められようとしているが、危機のとき、最も頼りになるのは自衛隊でしょ。自衛隊病院を削減したら、どうなるか火を見るより明らかなのに、なんで削減するかね。アホな政府を持った国民に未来はない、ということが痛感できる本。2022/02/09
松村 英治
0
非常に多面的な考察。2024/12/02