内容説明
《目次》
はじめに 斎藤環
Ⅰ 傾聴/境界
【第一信】斎藤環→坂口恭平様
恭平さんの方法論は、「とんでもない」
【第二信】坂口恭平→斎藤環様
死にたい人に死なない方法を伝えているわけではないんです
Ⅱ 治療/フィールドワーク
【第三信】斎藤環→坂口恭平様
どのくらい「技法」として意識していますか?
【第四信】坂口恭平→斎藤環様
苦しさや悩みには、一〇種類くらいのパターンしかありません 46
Ⅲ 脆弱さ/柔らかさ
【第五信】斎藤環→坂口恭平様
「活動処方療法」の効果を共同で研究してみたい
【第六信】坂口恭平→斎藤環様
今までの人生の中で一番マシだったことを聞いてみます
Ⅳ 自己愛/承認欲求
【第七信】斎藤環→坂口恭平様
相談者とともに欲望を作り出しているようにも見えます
【第八信】坂口恭平→斎藤環様
自分の欲望ってのが、実は一番、どこにもない答えなんですよね
Ⅴ 流れ/意欲
【第九信】斎藤環→坂口恭平様
「所有欲」について、どう考えていますか?
【第十信】坂口恭平→斎藤環様
創造するという行為が、至上の愛よりも強い喜びです
Ⅵ 悟り/変化
【第十一信】斎藤環→坂口恭平様
恭平さんの境地は、幸福であり究極の自由であるように思います
【第十二信】坂口恭平→斎藤環様
人々もまた幸福のことを知っていると僕は確かに感じています
おわりに 坂口恭平
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
105
斎藤環と坂口恭平の往復書簡。きっかけになった講演聞いてた(自慢)。電話で人助けをしている恭平さん。それでも攻撃的な人からは距離を取るというのが参考になった。自分が疲弊して続けられなくなったら何にもならないから。斎藤先生は恭平さんの作品に個性がないと言うけど、あのパステル画のどこまでも透明で力みのない空気は非常に個性的だと私は思うんだけど。後半は斎藤先生がやたらと恭平さんを持ち上げている(文章も冗長でダレてくる)。でもこの人は絵の天才で、描き続けてる以上生活に困ることはない。だから悟ってるのとは違うと思う。2023/05/23
ネギっ子gen
62
「いのっちの電話」と称し自らの携帯電話番号を公開し、10年間で2万人の「死にたい」と思う人々の電話を受けてきた双極性障害の当事者・坂口氏と、「自己愛的な人間」と広言する、オープンダイアローグの啓発運動に取り組む精神科医・斎藤氏による往復書簡。人が人を助けるとは、どういうことなのか? 12通の対話の記録。鬱で寝込まなくなって丸2年になる、坂口氏の言葉。<それぞれの人に、創造の泉があるはずで、死にたくなっている時、鬱で混乱している時は、実はそれを発見せよと体が声をかけてきているのではないかと思っています>。⇒2022/12/17
アオイトリ
28
往復書簡の形で、精神科医が彼の哲学や思想、病理を紐解く試みです。かなり形而上学的で好みが分かれるところ。携帯番号を公開し10年にわたり、「死にたい人」との対話活動を続ける青年。文筆家、音楽家、画家、建築家。その日常をYoutubeで見て、穏やかでフランクな語り口に驚きました。躁鬱病に苦しみながら、自分なりの生活習慣で寛解に辿り着いた経験は、示唆に富むものでした。所有欲を始め執着が薄い、でもやりたいことをその瞬間にする欲望が常軌を逸している。異能のひと。2023年、熊本市現代美術館の個展が楽しみです。2022/05/11
rors(セナ)
18
斉藤環先生と坂口恭平さんの往復書簡。斉藤先生の方からの「自己愛」「我執」について書かれた第11信がすごかった。坂口恭平さんが至った境地を探る。「自己愛」を拗らせ、ひん曲がってしまっている私は、素直な自己愛を持つ坂口恭平という人を奇跡のように感じる。本人は自己愛という概念にこだわりがないようだけど。 坂口恭平単著よりも坂口恭平の言いたいことがわかりやすい本。これで坂口恭平本5冊目。これはハマってるってことかな…2023/03/14
しょうご
13
精神科医の斎藤環さんの視点から坂口恭平さんの活動について質問とその回答の往復書簡です。 鬱は「心のエネルギーの枯渇」ではなく、エネルギーの使いどころを間違い始めた時に作動するアラームのようなもの、というのが印象的でした。2021/11/26
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