内容説明
〈ホメロス計画〉――信仰心を失った人類は、新たなる神を求めて地球外知的生命体との接触を試みていた。それは存続の危機にあった教会にとっても「神の科学的証明」による信仰回復の可能性を秘めていたが、反対勢力による抵抗も進行していた。そんな中、地球外生命体からと思われる大量のニュートリノが観測されたのだが……。人類・神・宇宙の関係に鋭く迫る、第一回小松左京賞受賞作の一大SF待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
秀玉
14
SF好きだから、最後までは読んだ、最後に壮大な、こうだったんだ、すごい、これだ-、なあんて感動はわかない。小説家さんの着想や構想にストーリー展開をどのように見せるか、読ませるかに苦労しているのがわかる出足。えんえんと様々な場面や登場人物の人なりが描かれる。疲れる。いよいよ見せ場が近い、ワクワクどうなると思っていたのにしぼんだね。最後の小説評では、この作家さんをほめ、こんな作家さんは唯一無二的な扱い。この評を読むと、他の作品も読んで見たいと思う。読了後にイエスキリストについて調べたがわからない。実在したのか2024/03/07
TheWho
14
エリ・エリ・レマ・サバクタニ「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」:新約聖書『マタイによる福音書(マタイ伝)』第27章に記載されている磔になったイエス・キリスト最後の言葉を題名に25世紀の世界と新約聖書の世界がシンクロして「神とは?」と云う壮大なテーマをモチーフにし題名に惹かれて手に取った作品。私が宗教哲学に興味を持った切っ掛けになった光瀬流「百億の昼と千億の夜」は、バラモン哲学が根底にあった世界観だったが、本作は、人間の宗教観の根底にある渇望をSF世界で描写していると思えた。名作です2019/08/22
けいちゃっぷ
8
てっきり女性作家かと思ってたら男性作家でした。 昔、似たような名前の歌手がいたもので。 神を探す話ではさぞや辛気臭くて読みにくいだろうなと思ってましたが、とんでもない。 設定はいささか地味ですが、しっかりエンタメしてます。 神の存在を証明しようとする神父の榊。天才すぎる科学者・クレメンタイン。エイリアン・アブダクションにより異星人を憎悪する精神分析医・タウト。 そして、地球外生命体からと思われる大量のニュートリノが観測された。 三人はそれぞれの立場や思いから木星へ向かうが・・・。 460ページ 2015/09/23
ひさか
3
2000年12月刊。第1回小松左京賞受賞作。2005年5月文庫化。神を探すお話。地味な設定ですが、しっかりした構成で、興味をそらさないストーリー展開が面白く、楽しめました。2015/07/21
ホーマックショーン
3
SFと宗教を突き詰めた作品、かなり面白かった。2014/01/07
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