内容説明
あのときも、あのときも、おばあちゃんはずうっと隣りにいてくれた――。真正面から見つめあうのではなく、遠くから眺めるのでもなく、子どもにただ寄りそって、なだめ、励まし、ゆったりと教え諭す、そんな人の存在が、お母さんと子どもの息苦しさをゆるめ、からまった気持ちに風を通してくれる。家族みんなの胸がじんわり熱くなる、心の深呼吸エッセイ。
目次
ゆっくり、じっくり
「早く大人になりたい」
ラジオがあった居間
美味しいものの手続き
おばあちゃんの隣りで
聞き分けることを知った日
おまじないのちから
としあきちゃんのお嫁さん
パーマネントとコンパクト
「おばあちゃんが、見ていてあげる」
くまざわなおや先生のこと
転校生の心の居場所
心の準備をする習慣
叔母が運んだ憧れ
捨てられない人
布団から出てきたおやつ
枕元のあたたかさ
こうちゃんと私
デコレーションケーキ
お祭りの着物
「敷居を踏んではいけません」
仏壇にしまいこまれた時間
夢物語
そして、老いが教えてくれたこと
あとがき