内容説明
「笑いのカイブツ」作者、これが限界到達点。
15才の時に芸人になりたいと思った。でも、オカンに反対され、NSC(吉本の新人養成所)入りを断念。19才のとき、活路を開くために大喜利でひたすら経験値を積み上げることを自分に課し、睡眠時間3時間以外はすべてネタ出しに没頭。27才まではこの生活を続ける決意をする。21才でケータイ大喜利でレジェンドの称号を獲得。24才で人気芸人のラジオ番組の作家になる。しかし、25才で心が折れる音を聞いた。限界だった。
そこまでの私闘の日々を綴った「笑いのカイブツ」を刊行するも、気がつけば、スーパー玉出のストロング缶と女に走る日々が続いた。やがてなけなしの有り金を注ぎ込んでの海外逃亡。
そして、コロナ渦のなかで、僕は久しぶりに110円のボールペンを握っていた。再び、ノートをネタで真っ黒に埋め尽くすために。
絶望。逃亡。一縷の希望。「笑いのカイブツ」作者、恐らくこれが限界到達点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
87
最初のひりつく感じが、次第にいつまでそんなことばっかり…というおもいに変質する。結局逃げてるだけじゃないのかな……って。他の方の感想をみて、調べ、大喜利のとこを知る。大喜利はやはり短編の集まりになるのかもしれない2022/12/25
rosetta
28
★★★☆☆ケータイ大喜利のレジェンドで伝説の葉書職人だとか言われてもシラネ、てなもんだ。才能の枯渇を感じ何者でもなくなりただ時間を浪費するように生きる。安い歌謡曲のような薄っぺらな文体と中身のない主人公の有様に嫌悪感を覚え本を投げ出しそうになる。5章からは15でお笑いを目指してからの来し方を懐旧する文体に変わり、内容にも血肉を感じられるようになりやっと普通の小説として読めるようになった。4章まで読者に反感を持たせることも5章以降を効果的に盛り上げるための準備なのだとしたらまんまと作者の思う壷に嵌った2022/01/17
いっち
20
『笑いのカイブツ』の続編と、言っていいのかわからない。主人公は、小説を書き、遊郭に行き、海外逃亡。フィクションのようにも読める。本書は創作する人に響く。ある売れてるお笑い芸人が、若手時代、バイトを2週間で変えた話に、ストイックさを感じた。売れたとき、番組で話すエピソードを一つでも多く増やすため、バイトを転々としていたらしい。バイトを変えることで、人間関係も、仕事の種類も、新たなものに変えていく。そこに創造が生まれる。主人公もストイックだ。最初にアウトプットしてからインプット。この順番を間違えてはいけない。2023/03/21
neputa
15
ヒリヒリと切っ先鋭いツチヤタカユキの言葉が幾度も心に突き刺さった。覚めてきてしまった熱や、あきらめてしまったことを、本当にそれでいいのか? そんなんものだったのか? と突きつけてくる。笑いのカイブツから時は経ったが、再び著者がお笑いと向き合い、当時と変わらず疾走してる姿に嬉しくなる。自分も燃やし尽くせていないものを全て出し切って死にたい。強く激しく突き動かされた一冊だった。2022/01/13
とよ
4
ツチヤさんなんかと比べるのは、本当に愚かだけど、僕もツチヤさんに憧れて大喜利をはじめた。 正直、大喜利は僕の人生を大きく狂わせたと思うし、大喜利をやってない人生の方が圧倒的に楽しかったと思うけど、俺はそんなカスみたいな人生より、全てを歪ませるイカれた人生の方が、エエんちゃうか?とか考える。2021/11/10
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