内容説明
ヤバイやつらが続々襲来! どうする人類?
「驚かないで! ぼく、ほんとに弱いの。殺したりしないでね」。命乞いする落ちこぼれ妖怪に、「プルスマ、プルスマナス」と呪文をつぶやく謎のエイリアン。さらには人間からダシをとりたい妖怪世界の料理人から、あがり症の新米悪魔まで。ヤバイやつらがゾクゾク襲来! どうする人類?
◆表題作「世界でいちばん弱い妖怪」
人間界に落ちてきた妖怪は、警官に取り囲まれるなり、開口一番、救いを求めた。「ねぇ待って! 撃たないで! 一発で、ぼく死んじゃう」。妖怪には足がない。歩けない。震えながら取引をもちかける。「君たちがぼくを生かしてくれるなら、ぼくも自分の妖術で人間を助けることができるよ」。妖怪に食べられると肛門から出るころには若返るという。実際に妖術が成功すると、若返りを求めて人びとが列をなした。人類と妖怪の共存だ。しかし約1万人が青春を取り戻したころ、のみこまれた人が死んでしまう事故が起こり……
くすっと笑えて、時々ドッキリ、最後に沁みるショートショート18編。
人気イラストレーターのクイックオバケの挿画もたくさん入って、ページをめくるだけで楽しめる。朝読やすきま読書にもオススメです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
61
読書体験の少ない人生を送ってきた作者さんによる奇妙な味わいの18編。悪魔やエイリアンや妖怪が現れて、人類に問いかける命題は実に哲学的であり、また真理を突いているのではないか、と思わされる。すごい新人さんが出たものだ。似た展開だから思索的な作風故に飽きてしまう側面もあるが、描き出される人間の秘めた愚かさにはちょっと頷かされてしまう。う~ん、根元的。2023/09/10
十二月の雀
18
韓国人著者のショートショート。ショートショートというとすぐに星新一の名前を出す風潮があって、それが本当に嫌いで辟易しているのだけど、(この人本当に星新一読んでないの??)というくらいに星新一に近い味わいがある素晴らしいショートショートでした。要するにエフ博士がキム氏だったり、セールスマンが悪魔だったり妖怪だったり、いろいろ置換できるんだけど、どれもサッパリしてて風刺と皮肉が効いて読みやすい。著者は工場勤務で小説を読まず、ネット投稿でデビューしたようで900に及ぶ作品があるらしい。面白かった。邦訳待ち。2021/11/25
Tatsuhito Matsuzaki
16
悪魔的でシニカルなショートショート18編。 著者は、ほんの数年前まで自分の名前以外の文字を書く機会もなく本を読んだ事も無かった鋳物工場の元労働者とのこと。 工場の灰色の壁に描いた妄想がそのまま寓話になったような作品集です。 #悪魔 #妖怪 #妖精 #星新一 #エイリアン #魔法使い #一番怖いのは人間です #ショートショート #寓話2022/02/15
wonderhoney
16
妖怪とか、悪魔が出てきて、とっつきにくいかなーと思っていたけれど、人間の欲を浮き彫りにするファンタジー。スマイル、、ぞっとする。短編集なので、読みやすかったし、何も考えたくない時によい。2022/01/10
のり
15
悪魔や妖怪、エイリアンなどが出てくる、ブラックショートショート作品。「人間の心の弱さ」「目先の欲」など、風刺的な物語も多い。2022/03/10
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