内容説明
「もう55歳」「まだ55歳」。同じ年齢でも最初の言葉がちがうとその年齢の持つ意味が変わります。「もう」と思う自分と「まだ」と感じる自分。理想の大人にはまだ遠く、これから知ることもあれば、あらたに経験することもあります。そう考えると、55歳は、本当に人生のまんなか辺りなのかもしれません。どうしていけば、気持ちよくすごせるか、かろやかにいられるか。「もうまんなか」「まだまんなか」。往き来する思いのなかで、自分らしい風景のなかにいるために、著者・広瀬裕子さんが日々選択していることを豊富なカラー写真と洒脱なエッセイでご紹介します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈*
49
タイトルにある年齢もその1つだけど、「もう」と思うのか「まだ」、「あと」と、そのどれを選ぶかで置かれる状況や、それを感じる自分の気持ちは格段に違ってくると思う。歳を重ねていくことは抗えないことだけど、そんな中でいかに自分の人生を心地よく楽しんで生きられるか。広瀬さんの紡ぎ出す言葉と年々シンプルに研ぎ澄まされていくライフスタイルには読んでいると共感できることがたくさんある。揺るぎない自分をしっかり持っているからこその、自分にとっての大切なものの選択が潔くできるんだろうなと思う。こんな風に歳を重ねていきたい。2021/04/07
原玉幸子
20
同い年の55歳という表題だけで選びましたが、私には上品過ぎて困りました。共感? 憧れ? 不安? 素敵な服? 回顧? 老い? 感謝? 優しさ? 著者の声に自分はどのような感情で接したらいいのかを迷うばかりでした。(●2021年・夏)2021/07/28
青木 蓮友
15
隅から隅まで素敵だけれど、広瀬さん結婚とか難しくなくなくない?と思ったら、申し訳ない離婚されてました。それを踏まえて向き合ってみると、わかる、むちゃくちゃにわかる。全部にスッと筋が通ってターッとたどり着くまでの奥行きが通って、お行儀はよくないけれど軽く調べてみるのも一考かもとも思ってしまいました。50歳のを読んで、今回55歳のを読んで、方針はブレない方だけれどと思ったら、いやいや変化進化がかなりあってですね。より繊細に解像度高く、俯瞰高度も上がって一層に素敵になってらして。広瀬裕子さん憧れです、ビバ加齢。2021/06/06
ぽけっとももんが
9
「老後はない」という言葉が印象に残る。そうだ、老いた「後」ってなんだ。確かに老いつつある状態ではあるけれども。次男の最後の学費を支払ったのであとは「老後資金」だぞ、と思っていたけれども、なんだろう適正な言葉は。 あと半分あるしなぁ。2022/09/10
fukui42
6
私にももうすぐやってくる55歳。まあそんなに変わることのない日々でしょう。でも、「入院用のセットを準備しておく」「5歳ごとにポートレートを撮る」云々。押し付けがましい書き方じゃなく、100%コットンの着心地いいような感触が良かったな。スイースイーと自分の形で、人生の流れを自分のスタイルで。生けたらこの上ない喜びになるなあ。良作でした。2021/07/23