内容説明
行為が人々に与える結果を重視する功利主義と、結果にかかわらず守るべき義務や倫理原則があるとする義務論。現代の英米倫理学でも大きな影響力を持つこの対立は、二〇世紀以前には功利主義と直観主義の対立として論じられていた。この構図を軸とすることで、近代から現代までの英米倫理学の歴史を整理し、現代的な課題を展望する!
目次
はしがき
I 対立図式の成立
第一章 直観主義の成立
1 功利主義と直観主義の対立の始まり
2 ホッブズ主義の脅威
3 デカルトの直観かロックの感覚か
4 バトラーの良心とリードの常識道徳
第二章 ベンタムたちの攻撃
1 ベンタムの直観主義批判と功利主義
2 ペイリーとゴドウィン
3 功利主義に対する批判
第三章 第二世代の功利主義
1 スコットランド学派とケンブリッジ・モラリストの直観主義
2 ジョン・オースティン
3 ジェームズ・ミル
4 ジョン・スチュアート・ミル
II 理論的展開
第四章 シジウィックとムーア──調停と破壊
1 調停者としてのシジウィック
2 破壊者としてのムーア
第五章 直観主義の逆襲──プリチャードとロス
1 プリチャードの説明拒否
2 ロスの一見自明な義務
3 功利主義と直観主義──中間のまとめ
4 「直観主義」から「義務論」へ
第六章 功利主義の新たな展開──規則功利主義と二層功利主義
1 ハロッドによる「革新」
2 規則功利主義と行為功利主義
3 ヘアの二層功利主義
4 思考実験を用いた功利主義批判
第七章 ロールズの方法論的革新
1 ロールズの正義論とその方法
2 功利主義者によるロールズ批判(1)──ヘア
3 功利主義者によるロールズ批判(2)──シンガー
4 倫理理論の基礎付け主義と整合説
III 現代の論争
第八章 法哲学における論争
1 ウォルフェンデン報告
2 ハート・デブリン論争
3 功利主義と直観主義の論争との関連
第九章 生命倫理学における論争
1 ビーチャムとチルドレスの四原則と直観主義
2 生命倫理学における功利主義
3 功利主義的思考に対する批判
第一〇章 功利と直観の二元性──脳科学と心理学の知見から
1 特定個人の人命と統計的人命
2 経験的思考と分析的思考──思考の二重プロセスモデル
3 脳科学とトロリー問題
結語
注
あとがき
用語集
引用文献一覧
感想・レビュー
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evifrei
大道寺
大道寺
えむ
わんぱら
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