少子化論 - なぜまだ結婚,出産しやすい国にならないのか

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少子化論 - なぜまだ結婚,出産しやすい国にならないのか

  • 著者名:松田茂樹
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2021/11発売)
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  • ISBN:9784326653805

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内容説明

なぜ少子化は危機なのか、これまでの少子化対策の流れなど、基本知識から最先端の議論まで。家族や若年雇用の変容、父親の育児参加、都市と地方の差異、少子化の国際比較など多角的な視点で日本の少子化の全体像を分析。少子化克服への道を提言する。

目次

まえがき

序章 少子化の進行と変容
 I 出生率の反転傾向は持続するのか
 II なぜ危機なのか
 III 少子化の要因をめぐる議論
 IV これまでの政策は効果をあげたのか
 V 解明する問題

第一章 家族は変わったか
 I 通説を見直す
 II 安定する家族
 III 分業戦略と共働戦略
 IV 強まる家族志向
 V 典型的家族のための少子化対策が課題
 VI 家族から漏れる人たち

第二章 若年層の雇用劣化と未婚化
 I 進む未婚化
 II 未婚化の理由を探る
 III 非正規雇用、低収入、未婚化
 IV 非正規雇用者の両立難
 V 雇用、非正規の育休、ライフデザイン教育の対策拡充を

第三章 父親の育児参加は増えたのか
 I 父親ブーム
 II 依然少ない参加
 III 日本的雇用と残業
 IV 父親の育児休業はなぜすすまないか
 V ふつうの父親が子どもに関われる社会に

第四章 企業の両立支援の進展と転換期
 I 両立支援の進展
 II 経営環境変わる
 III 経営体力による格差とみえてきた問題
 IV 両立支援の効果
 V 次の展開

第五章 都市と地方の少子化
 I 地方の出生率低下
 II 出生率に地域差が生じるのはなぜか
 III 雇用の悪化
 IV 都市と地方の子育て環境
 V 地域ごとの特徴
 VI 都市と地方のアドバンテージと優先課題
 VII 各地域にあった対策が必要

第六章 国際比較からみる日本の少子化
 I 国による出生率の違い
 II 結婚と同棲
 III 出産・子育て
 IV 子育て支援の比較
 V 日本の課題
 
終章 少子化克服への道
 I 少子化論のパラダイム転換
 II 政策提言

あとがき
文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

59
常々「女性の社会進出」があたかも戦犯のように引き合いに出されることに違和感を覚えていたのだが、真の問題は雇用の質の劣化にありとする本書に大いに納得した。肝要なのは「産める、産みたい」と思える経済基盤だ。日本の少子化対策に目標値がなかったことに驚いた。2019/03/15

壱萬参仟縁

9
上野千鶴子名誉教授のこの間の玉稿では、エリート男女(正規雇用)が最強カップルとわかった。結婚したって、行き詰まるのは、非正規。著者ご自身は妻子もち。妻子なしの独身が少子化をなんとかしろ、との当事者ではないことは意味深い。当事者が変革を、というのと、研究している者からするとこれこれ云々、というのでは、説得力はどちらにあるだろうか? 開き直って、事実婚ではないか。憲法も既成事実で捻じ曲げてきた国だから。評者は学歴は高いが非正規である。学歴だけならこの著者と似たようなものだが。どこで差が付いたかというと30代。2013/06/03

isao_key

8
日本の少子化の問題を歴史的、社会的に考察し、外国と比較して最後に提言をまとめている。本書が書かれた合計特殊出生率は2010年のもので1.39であった。2017年は1.43で多少改善は進んだが果たして政策によるものであろうか。少子化のいちばんの要因は若年層において非正規雇用者が増え、正規雇用者も以前よりも収入が低下したことだという。労働力調査によると2010年は非正規雇用は34.4%で、2018年では37.9%と悪化している。女性の非正規雇用者の年間収入も100万円未満が44.1%と0.2%低下している。2019/04/19

ぼのまり

4
日本で少子化対策を行なうようになって、約20年経つそうだ。その間、出生率は最低レベルから若干の改善が見られるものの、対策が決定打となっていない。この本で筆者は、少子化現象を再分析し、日本の少子化の最大要因は未婚化にあると述べる。その上で、スウェーデンやフランス、ドイツなど少子化対策に一定の成功をおさめている国々との対比を交えながら具体的な方策を提言しており、総論としてとても良くまとまった1冊だと思う。個人的には「生物種としての退化」といった根源的な問題も抱えているようにも感じている。2013/07/05

飯田一史

3
政策レベルでは「子ども・子育て支援」という言い方だがこれは「少子化」に比べて社会的な(全世代に関わる)問題だと思われない、というのはなるほどと。提言のところで「政府は具体的な数値目標を立てて取り組むべき」とあり「いつまでにどれくらい」という目標もなく少子化対策やってきたのかよ、と衝撃を受けた(できるできないは別にしても、そんなの、会社だったらやばいよな…)。データに基づき分析しており、カネがないと結婚できず、(日本では)結婚しないと子どもできないので非正規にもカネが回る社会にしよう、というまっとうな結論。2015/05/26

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