量子という謎 - 量子力学の哲学入門

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量子という謎 - 量子力学の哲学入門

  • 著者名:白井仁人/東克明/森田邦久/渡部鉄兵
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 勁草書房(2021/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 870pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326700752

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内容説明

量子力学を応用した科学技術が、現代社会のいたるところに浸透した現在。いまや量子力学の正しさを疑う者は少ない。しかし、ふとこの知の体系における基礎概念の哲学的含意を問うと、とたんに明確な答えが遠のいていく。そんな量子力学にまつわる概念的問題を網羅的にまとめた、初歩的な知識から一歩先に進むための2冊目の入門書。

目次

はじめに

第I部 哲学的準備

第1章 量子力学における観測とその問題
 1.1 序
 1.2 量子力学における観測問題
 1.3 解決のための選択肢
 1.4 射影公準__
 1.5 残された課題
 付録: 異なる定式化による観測問題(?)

第2章 EPR論証とベルの不等式
 2.1 EPR 論証
 2.2 ベルの議論と非局所性
 2.3 非局所性・信号伝達可能性・因果
 付録: テンソル積ヒルベルト空間

第3章 コッヘン=シュペッカーのNO-GO定理
 3.1 スピン角運動量:スピン1の場合
 3.2 コッヘン=シュペッカーのNO-GO定理
 3.3 ベルの指摘と状況依存型の確定値付与
 3.4 最後に
 付録: 有限次元ヒルベルト空間

第II部 量子力学の解釈問題

第4章 軌跡解釈
 4.1 『光子の裁判』
 4.2 解釈
 4.3 解釈の特徴
 4.4 量子現象の説明
 4.5 現状と評価
 付録A: フォーマリズムからの「導出」
 付録B: 所有値についての補足

第5章 多世界解釈
 5.1 エヴェレットの相対状態形式
 5.2 状態ベクトルの分解の非一意性
 5.3 確率をどう解釈するのか
 5.4 多世界解釈の実験的検証
 5.5 再びいつ世界は分岐するのかの問題
 5.6 多世界解釈と実在性・非局所性
 付録: 頻度解釈によるボルンの規則の導出

第6章 統計解釈
 6.1 波動関数の収縮
 6.2 波動関数の統計解釈(回答Iの考え方)
 6.3 波動関数の個別系解釈(回答IIの考え方)
 6.4 NO-GO定理
 6.5 新しい統計解釈へ向けて
 6.6 新しい統計解釈
 6.7 統計力学的アプローチ
 6.8 おわりに

第7章 時間対称的な解釈
 7.1 時間対称的な量子力学
 7.2 時間対称的な量子力学の解釈
 7.3 時間対称的な量子力学の物質波解釈と異常な弱値

第III部 量子力学における諸概念

第8章 不確定性関係
 8.1 はじめに
 8.2 ハイゼンベルクの不確定性原理
 8.3 不確定性関係の物理学的な意味
 8.4 不確定性関係の哲学的な意味
 付録A1: ケナードの不等式の導出
 付録A2: ロバートソンの不等式の導出
 付録A3: シュレーディンガーの不等式の導出
 付録A4: 誤差と擾乱の不確定性関係ε(x)η(p)≧h/2の導出
 付録A5: 小澤の不等式の導出

第9章 時間とエネルギーの不確定性関係
 9.1 初期の時間とエネルギーの不確定性関係
 9.2 光子箱の思考実験
 9.3 ボーアの回答
 9.4 ブッシュの回答
 9.5 ダイクスとラムの回答
 9.6 時間とエネルギーの同時測定の可能性
 付録: ハイゼンベルクによる時間とエネルギーの不確定性関係の導出

第10章 古典と量子の関係
 10.1 古典極限
 10.2 エーレンフェストの定理
 10.3 h→0
 10.4 N→∞

おわりに
索引


白井仁人(しらい・ひさと)担当章:第6・8章・おわりに
1965年生まれ.名古屋大学理学部物理学科卒業.名古屋大学理学研究科博士課程修了.博士(理学).宇宙科学研究所(現JAXA),小山工業高等専門学校,名古屋大学を経て,現在,一関工業高等専門学校教授.地球電磁気地球惑星圏学会大林賞受賞,国立高専機構理事長奨励賞受賞,科学基礎論学会評議員など.主要業績:「量子力学への統計力学的アプローチ」(『現代思想』2007年12月号)など.

東 克明(ひがし・かつあき)担当章:第2・3章
ほか