内容説明
あなた、やっぱり処女なんでしょ――。「少女小説家」は嘲笑された。『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』ほかベストセラーを多数送り出し、セクハラという言葉が世間に登場し始めた頃、「いっぱし」の年齢・三十歳を超えた著者。女としてただ社会に在るだけで四方八方から襲い来る違和感を、まっすぐに、そして鮮やかに描いた不朽のエッセイが満を持して復刊!
目次
まえがきにかえて
いっぱしの女の〝夢の家〟
バーブラとミドラー
夢の家で暮らすために
詠嘆なんか大嫌い
とてもすばらしかった旅行について
一番とおい他人について
いっぱしの女のため息
一万二千日めの憂鬱
俗物あり
さようなら女の子
レズについて
〈妹の力〉と〈女の大義〉
いっぱしの女から男たちへ
なるほど
年表をめくる意味について
ブラキストン線について
シュプレヒコールの歌
それは決して『ミザリー』ではない
いっぱしの女の生きる時代
愕然の日々
ありふれた日の夜と昼について
羅生門をめぐる連想
やっぱり評論もよみたい
対談 いっぱしの女 大いに語る 高泉淳子+氷室冴子
解説 町田そのこ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
73
30年近く前に刊行された本の新版だが、セクハラという言葉が一般化した今読んでも、あんまり男性側(と一部の女性)の意識は変わっていないよね……と共感しかりだった。氷室さんのほかの著作を知らなくともうなずけるところの多い本だと思うので、特に若い女性におすすめしたい。2021/08/06
とよぽん
59
氷室冴子さん、初めて読む。ほぼ30年前に書かれたエッセイのようで。しかし、内容は古さを感じさせずセクハラという言葉がその頃登場したのか、と感慨深い。男尊女卑を鋭く指摘する文章も結構あった。「高校生の時は男とも対等だったのに。大学生になると、結局、オンナの部分で勝負して、モノもらったほうが勝ちになるのかなー。なんか、この先の人生の縮図みたいで、辛いものがあるよね」という台詞がとても印象的だった。2022/11/12
ぽのぽの
48
タイトルに惹かれて図書館で借りた。氷室冴子さんのエッセイ。1992年(平成4年)の刊行。執筆当時、氷室さんは30代前半。〈女であること〉が今よりずっと面倒くさかった時代。セクシャリティに関する話題は、ドキドキするものがある。【いっぱしの女】という言葉がカッコいい。現代だと何歳くらいになれば「いっぱしの女」と言ってもらえるのだろう。町田そのこさんの〝愛〟が溢れる解説も良かった。2026/06/03
penguin-blue
43
懐かしい、氷室さんのエッセイが今頃読めるとは、と手にとり、「さて、これ読んだっけ?」と思ったのもつかの間、彼女のお母様が娘が結婚しない悩みをラジオ番組の占いコーナーに投稿する、という衝撃のエピソードで思い出した(笑)。セクハラ、パワハラ、そんな言葉もなくふつーに日常だった時代、ひと世代前の氷室さんが投げられた言葉やため込んだもやもやに、まだ社会人の入り口にいた初めて読んだ頃とはまたちょっと違う感じでほろ苦く共感する。要は帯に書かれた『「女」だからって何だっつーの』…結局世の中そう変わってないってことか。2021/08/05
ダージリン
41
今よりもっと女性であることに対して、軋轢が厳しかった頃の心の叫びを感じました。でも、それだけじゃなく、日々に思ったことを生き生きと軽妙に書かれていて、過去から届いた手紙のように感じました。最近、特集本や初期作品集を読む機会があり、嬉しい限りです! 更なる復刊をお待ちしています。「マイ・ディア」とか、よろしくお願いします♪2021/08/07
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