光文社文庫<br> 平場の月

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光文社文庫
平場の月

  • 著者名:朝倉かすみ
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 光文社(2021/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334792657

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内容説明

須藤が死んだと聞かされたのは、小学校中学校と同窓の安西からだ。須藤と同じパート先だったウミちゃんから聞いたのだという。青砥は離婚して戻った地元で、再会したときのことを思い出す。検査で行った病院の売店に彼女はいた。中学時代、「太い」感じのする女子だった。50年生き、二人は再会し、これからの人生にお互いが存在することを感じていた。第32回山本周五郎賞受賞の大人のリアルな恋愛小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

276
『秘密の思い出も共有しているというのもよかった。晩年感がふとよぎる歳で再会した「異性」は、十五歳の面影を残しているものの、虹色の好意を友情と呼ぶほどには熟れている』。中学時代に『ひとつきり』の思い出を共有する青砥と須藤の偶然の再会から始まるこの作品。そこには五十を過ぎたからこそ築ける”大人の恋の物語”が描かれていました。朝倉さんの独特な比喩表現に惹かれるこの作品。冒頭に結末が明かされる物語に複雑な思いが湧き上がるこの作品。生活臭がリアルに漂う物語の中にリアルな大人の恋愛の姿がふっと浮かび上がる作品でした。2025/01/19

エドワード

166
青砥健将は、腫瘍の検査で訪れた病院で、中学校の同級生、須藤葉子と再会する。青砥は離婚を経験、須藤は夫に先立たれた。五十歳の二人が、中学生に戻ったような恋をする。ところが須藤も大腸癌に冒されていた。須藤を思いやる青砥、青砥に惹かれながら、引け目を感じる須藤。「この人と生きていきたい」「ちょうどいいしあわせ」ほぼ二人のセリフで綴られる二人芝居。全編に溢れる静かな情感。冒頭で須藤の運命が明かされているのが哀しい。駐車場の隅に植えられたハーブのような、市井のささやかな人情、もののあはれ、とはこのようなものだな。2021/12/04

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

162
50代の恋。自分が二十歳位のときなら、おえー、って感じだったかもしれないけど、いざこの歳になってみると、んっ?あってもおかしくないかも…と。「この人と生きていきたい」、に年齢なんて関係ない気がするし。はじめから結果が分かっている物語なだけに、妙におどけてかっ跳んだ会話との対比が逆に妙に切ない。待ちきれない時間と、もうすでに行きつくことのないその日。この状況で一年後の約束は残酷すぎた…。2021/12/02

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

115
朝倉さん、初読みでした。偶然にも中学の同級生須藤と再会した青砥。そこからゆっくりとした二人の付き合いが始まる。50代、老いらくの恋と言うほどではないが、熱く燃えるような歳でもない大人の恋。恐らく若い頃に読んだら「うわー、これ無理!」と投げ出しただろう。冒頭で結末がわかっているのにじっくりと読んでしまうのは私もそれなりに歳を重ねたからだろう。人を好きになると言う気持ちはいくつになっても無くならない。しんみりとした大人の恋でした。★★★+2021/12/19

Kanonlicht

113
著者自身が大人版の『世界の中心で、愛をさけぶ』を書きたかったと言っていて、まさにその通りの内容だと思った。セカチューは良くも悪くも若い2人の青春イメージがあったけれど、(どちらかといえばあまり幸せとは言えない)人生の折り返しを過ぎた2人の不器用なやり取りを描いたこの作品は、より現実味を感じた。結末はどうあれ、一生を尽くそうと思える相手に巡り合えたことが、2人にとっては幸せだったと思う。2023/04/26

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