内容説明
2018年、安倍晋三首相はプーチン大統領との首脳会談で、北方領土交渉について「日ソ共同宣言を基礎に」2島返還への方針転換を打ち出した。交渉の舞台裏で何が起きていたのか。2012年の第2次安倍政権発足時にさかのぼって、取材班が追いかけてきた日ロ交渉の全貌を1万6千件の取材メモをもとに解き明かす。そこには官邸主導で進められてきた外交と、プーチン政権の厚い壁があった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アーク
3
アベ政権は外交に長けているなんて言われていたけれど、実はその反対なんじゃね、と思わされた本。海千山千のプーチンの手中にハマって北方領土の返還に失敗するのは何とも情けない。一方のロシアもなりふり構わず北方領土の占領を続けようとするのは困った隣国と一緒で大人げないよな。北方領土の返還は多分永遠にないだろうな、と思わざるを得ない。2021/11/28
ポルポ・ウィズ・バナナ
3
安倍のやってること全部一緒やん。自分の功績を後世に残すという目的"だけ"で強行で予定を立て、官邸経由で"間接的"に下々に命令下す。内弁慶で外部の反応が読めないから、ロシアがホストの場で上から目線で「日本の助けで貴方の国はバラ色になる」とか言えちゃう。沖縄の民意を無視した結果、主権国家性を疑問視されて交渉が進まない。腐った党首とそれを支えるシステム。プーチンとの関係も本人は全く自覚なさそうだけど上っ面のものだけで、一方、森元とプーチンはそうじゃないカンジがするのが面白いな。2021/10/31
ふみりな
2
安倍政権の北方領土返還を綿密な取材に基づき綴っている。全国紙ではなく取材体力に限界のある地方紙がこれだけ丹念に長年にわたり事実を追い求めているのは、北方領土問題を地元に抱える新聞社の矜持であろう。本著は膨大かつ丁寧な取材に基づく演出のない事実記載であるだけに、かえってロシアとの交渉過程が凄みを持って読む側に伝わってくる。2023/01/03
のえみ
2
価値観が同じお友達サークルの中で物事を決定している人がどうやって外交を?と不思議だった。本書を読むと、個人的なお友達になれば物事は進むはず!という思い込みの元、外交もされたのかしら?と思わざるえない。方針転換を国民に説明しない、あくまでレガシーに固執する姿勢からは、本当に国益を考えての動きだったのかも怪しく思えてしまう。ロシア側の理論がみえるところはなるほどと。「相互理解」と「お友達」は違いますね。2022/03/09
Juncito
2
2021年 ★4 首脳間の信頼関係という一対一の戦略しかなかった日本に対し、中国、アメリカも絡んだ安全保障戦略と一つとして領土問題を扱うロシア。対米追従は良くないといっても、日米安保条約は国の根幹に関わる話。そこに踏み込まず、アメリカからは距離を置くと言ったところで、ロシアや中国が見ているのはまさにそこなんだろうな。2021/12/28
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