内容説明
本を買いに行ったはずが、本屋を買ってしまった――
著者は1970年、イギリス、スコットランドのウィグタウン生まれ。「自他共に認める田舎」である故郷を大学進学で離れたが、30歳のとき、クリスマスの帰省中に、立ち寄った老舗古書店「ザ・ブックショップ」を衝動買いしてしまう。諸手続きをへて翌年手に入った店は、いまや10万冊の在庫を擁するスコットランド最大の古書店だ。かつて国内最悪の失業率に苦しんでいたウィグタウンも、書店の町として知られるようになり、町にも店にも世界中から観光客が訪れる。
とはいえ、由緒ある築約200年の建物は維持費がかさむ。厳冬期には客足が途絶え、一方で暖房費はばかにならない。さらに大手書店チェーン、のちには巨大資本アマゾンと電子書籍化という手ごわいライバルが行く手に立ちふさがる。時に奇天烈、時に傍若無人な日々の客たち。有能だけど変人の度が過ぎる従業員(いちばん変わっているのは著者自身だというのが客たちの評)。大人気イベントである秋のブックフェスティバルで起こる騒動の数々。心ゆさぶられる遺品買取。個人書店の店主は、毎日がサバイバル・ゲームだ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
87
気難しくてひねくれたユーモアの持ち主のスコットランドの古書店主による、2014〜15年の日記。一筋縄ではいかぬ店員との丁々発止に、客との攻防。巨大化する店猫キャプテン。アマゾンとの確執と、ショットガンで撃ち抜いたキンドル。装丁や稀少本の蘊蓄。スコットランドの田舎町の古本屋の日常が、オーウェルの『本屋の思い出』からの引用と共に月毎にまとめてある。ああ、なんて楽しい。あまりに面白いので、1〜2ヶ月分ずつゆっくり読んでいこうと抗ったけど、無理だった。すべての本好きに強力にお勧めする。2021/09/06
Willie the Wildcat
84
”ブックタウン”、響きが魅惑。能動的・受動的な、ヒトと本の繋がり。前者のブッククラブやフェスティバル以上に、後者の買取りや値引き交渉などを通した本そのものと、人間考察が古書故という感。価格の主観性に垣間見る古書への熱。江戸・明治の古文書を楽しむ身ですので、共感できる件多々。興味深いのがAmazonと出版社、それぞれとの関係性とその対比。割とマイペースな著者が、何気にレーティングを気にしているのが現代的。思わず笑ったのが、元店員サラの推薦状。まさか提出したとは思わないが、著者ならあり得る?!2022/07/23
Panzer Leader
84
「本を買いに行ったはずが本屋を買ってしまった」との秀逸な帯書に惹かれない本好きはいないだろう。生まれ故郷の古書店を衝動買いした青年の日常を日記形式で綴る奮闘記。一癖も二癖ある客や従業員とのやり取りを面白可笑しく描いているが、その中にも時折見せる著者の本や人に対する愛情がかいま見えるところが良い。2022/07/17
R
80
スコットランドの古書店店主による日記。業務日誌のようでもあるけど、もっと私事に寄ったというか、ただの日記だった。毎日何かしらの事柄があり、特段オチをつけることもない思い出した走り書きのようなときもあり、はじめは物語になるのかと思いながら読んでいたので調子をつかめなかったけど、本当にただの日記だと気づいたらがぜん面白かった。客の様子や、店員の様子もコミカルだが、古書店を営むことへの幅広い愚痴などとりとめもない毎日が一年続いていくのが不思議とページをめくらせる魅力に満ちていた。2021/11/10
☆よいこ
78
30代の著者が生まれ故郷の古本屋を衝動買いした。それから20年、古本屋はスコットランド最大の古本屋として繁盛している。2014年2月から1年間の日記。どんな客が来たかとか、どの本に問い合わせが来たかなどを書く。地元のニュースや読んだ本の感想などもさらりと書かれる。たまにやってくる野良猫との攻防も面白い。▽途中で飽きて斜め読みした。2022/04/23
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