ペイント

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ペイント

  • 著者名:イ・ヒヨン【著】/小山内園子【訳】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • イースト・プレス(2021/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781620237

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内容説明

「君たちは、親を選べる子どもなんだよ」
「アーモンド」に続く「チャンビ青少年文学賞」受賞作。

韓国で30万部。ブレイディみかこ氏推薦。
「子どもに親を選ぶことができたら。人類の究極の「IF」に挑んだティーン小説。
大人こそ読んでこころの準備をしておいたほうがいい」

事情により子どもを育てられなくなった親が、子どもを預ける「NCセンター」が設立された近未来。そこでは子どもが親を選ぶ面接「ペイント(ペアレントインタビュー)」が行われている。そんなNCセンターに在籍する17歳の少年ジェヌが、この物語の主人公。

20歳のセンター退所期限までに親をみつけなれば、センター出身という経歴がIDカードに刻まれる。過去にNCセンター出身者による犯罪が行われたことで、社会にはNCセンター出身者への偏見が存在し、その経歴が刻まれないよう、子どもたちは必死にペイントを続けている。
しかし、ペイントにやってくる親候補の多くは、養子縁組することで受け取れる福利厚生が目的。親候補たちのとりつくろった笑顔と、透けて見える本音を、ジェヌは瞬時に見抜いてしまう。
NCセンターの退所期限を3年後に控えたジェヌは、ペイントをしながら、親や家族という存在について思索し、自分の進む道をつかもうとする。


■韓国作家の推薦文
『ペイント』は、11歳の娘が先にひったくるようにして持っていった本だ。ものすごく面白い、と本から手を離せなくなっている娘の姿に、正直心がチクリとした。 娘が学校にいっている隙にこっそり読みはじめた。読んでいるあいだじゅう、いい母親になりたいのにどうしていいかわからない私のそばへ、かつての自分がやってきて座っていた。親の関心や理解を求めていた幼い頃の私、そして、絶対に親元を離れると誓っていた20代の私が。いつのまにか母親になった私は、娘とともに『ペイント』のなかの「親を選ぶ子供たち」「親になろうとする大人たち」そして「かれらを手助けするセンターの大人たち」がそれぞれどんな想いだったか、ひとしきり語り合った。その語り合いが遠い未来まで続くであろうことを、私は知っている。
――小説家 チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』


【目次】
ジェヌ、301です
父母面接を始めます
いったいどんなヤツ紹介されたんだよ?
IDカードの番号
大人だからって、みんなが大人っぽい必要ありますか
お前は、自分の思い通りに生きると思ってんだろうな
自分のためだ、自分のため
あの噂、聞いた?
待ってるからね、友達
Parents Children
最後に聞いてもいいですか?

日本の読者のみなさんへ
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

87
YA。近未来の韓国、少子化が進み人口絶壁の社会。国家が子供を預かり育児し教育する。NC(ナショナルチルドレン)センターでは13歳から19歳までの間に父母面接を行い親を決めて退所する。個人IDデータからNC出身というラベルを剥がすために、20歳までに親を選ぶ必要がある。17歳のジェヌ301は父母面接(ペアレントインタビュー)通称ペイントに乗り気になれない。NCの子供を引き取ると恩恵や年金が貰えるという下心がみえる親候補を信頼できないと思っていた「親を決める選択権は全面的に僕らにある」▽親子関係を考える。良本2022/07/28

星落秋風五丈原

50
韓国では、この作品をフィクションとばかりは言っていられないからなのか。ドキュメンタリーでは韓国・ソウルの出生率が0.64だと報じられていた。中でも一番出生率の低いのが高級住宅地として知られる江南地区だという。日本と異なり兵役がある韓国では、人口減は切実な問題だ。だからといって儒教精神やら家を守るためやら昔ながらの題目をおしつけられて、キャリアを断たれてしまう現実を、女性達にだけ受け入れろとはいえない。本編のような、大変な時期だけ子供を育ててくれる施設が本当に必要になるかもしれない。2021/12/14

崩紫サロメ

26
少子化が進む近未来。子どもを育てたくない親が放棄した子を国家がNCセンターで育て、NCの子ども達は13歳から19歳の間に面談(ペイント)を進め、「親を選ぶ」。しかしその間にペイントできなかった子はNC出身者、犯罪者予備軍のような烙印の中で生きなければならない。17歳になっても親が見つからないジェヌを主人公として、家族のあり方を問いかける。家族とは愛情だけでつながっているものなのか、血のつながった親子とそうでない親子は何が違うのか?架空の話であるが、現代社会の人間関係についての鋭い問いがある。2022/04/28

さくら咲く

19
韓国のでベストセラー作品。韓国本を初めて手に取ってみた。舞台は近未来の少子化対策のため育児放棄された子供達を国家が18歳まで育てる施設での物語。今でも伸ばしているという売上げは韓国ならではの子育て、お受験など子供に託すべき物が多く締め付けが厳しい表れなのか。日本はどうだろう。 ロボットが生活を支える設定は最近当たり前になっているが無機質な物を感じさせる効果があり、主人公達の人間性を引き立てている様に感じた。2022/02/15

眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

17
初めて最後まで読んだ韓国の小説。カズオ・イシグロか約束のネバーランドか、って思いながら読み始めました。いい親とは⁈親子の定義とは⁈ 読んでる間中色々な感情が巡りました。そしてこの小説は韓国で中学の必読書になっていると後書きにありました。日本の中学生が読んだらどんな感想を寄せるのでしょう。私自身も我が子とペイントしたらどこまで行けるのか、まるで自信がありません。スピンオフの『モニター』ももし読める機会があれば読んでみたいです。2022/04/25

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