内容説明
職業を数十回変え80人以上の男性と関係を持ち生涯19回結婚。妖婦と呼ばれた奇想天外な明治時代の女傑、その謎の生涯を追う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
64
なかなか思考が追いつかない問題の女でした。本荘幽蘭なる方は存じ上げませんでしたが、明治、大正、昭和と時代を跨ぎこの行動には圧倒されました。今の時代で言えばと、想像しても浮かびません。2022/05/03
藤月はな(灯れ松明の火)
56
モダニズムが華咲いていく明治末期から大正時代に掛けて突如、現れ、消えていった女性がいた。彼女の名は本荘幽蘭。モガの代表格、女優、記者、実業家、果ては宗教家など職を転々とし、夫は50人程、とっかえひっかえ。新聞は彼女の巻き起こす言動に呆れつつも釘付けだった。この皮肉。また、幽蘭の語りからは「男の犠牲になった哀れな女」にも思えるが、失敗や悪評にもめげず懲りずのバイタリティは異様。最後の目撃情報から亡くなるまでは空白とこれまた謎な人。私に言えるのは「彼女は彼女なりに生きた」。只、これに尽きるのではないのだろうか2023/02/23
こばまり
53
天晴れロケンロールな女の人生。当時の女性としてはずば抜けて自分本位に生きた人で、読んでいて楽しかった。著者が指摘するように、何かを成し遂げた人についてはまとまった記録が残るが、そうでないと膨大で細かな資料に当たるしかない。砂金を集めて金塊にした労作。2022/05/29
あたびー
38
新聞記者、講談師、女優、宗教家、実業家(尽く失敗😅)、編み物教師、その他諸々…正に百の顔を持つと言っても過言では無い女傑本荘幽蘭。明治末期から大正頃は一挙手一投足が新聞で(半ば呆れつつ)報じられ、超有名人だったそうだが、昭和に入ると徐々にネームバリューも薄れ、晩年は謎のまま。数十回の結婚を繰り返し、舞踏会の手帳よろしく関係した男の名(錚々たる面々)を記録したが、「妾になるなら乞食になった方がマシ」と己の身体の独立を保持し続けた。読み終わってクラクラしている。美人で名高いが写真があまり残っていないのが残念2022/10/16
ばんだねいっぺい
31
「本荘幽蘭」というひとりの女性にまつわるノンフィクション。時代背景の中で型破りの生き方から軽蔑の視線を受けてきたが、読んだ印象は、その生き様は、父の問題がロケットの発射台であり、「生活のため」、「趣味嗜好」のため、ただただ一生懸命だったんじゃないかと思った。写真の目は、虚無感に満ちていて黒いビー玉だ。 でも、筆者が表現するように「我らが幽蘭」と祈りと応援が混じる。2021/12/05
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