内容説明
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この村には、根の無い「神」が流れ着く――。
稀代の絵師・もの久保が贈る、不穏な空気漂うイラストをのみを収録した作品集。
日本のどこかにある、どこか懐かしさを感じる田舎村。この村には「神」たちが集まり始めていた……。
まるで民間伝承のような、もの久保の新たな連作「不穏な田舎」をはじめ、「不穏」なイラストを描きおろしも含め100点以上収録。 今までの作品集とは一線を画す、異形と不穏が満載の一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
58
かつて「八百白首」のいた村、やがて「八百白首」が還ってくる。それは桜神、集う神々は子ども好き…静寂の情景は懐かしい異界、里山に異形、子どもと異物、かつて人々が自然に対して抱いていた畏敬を異形に託して、人が手放した日本の里山が異界に侵食されていく、そして八百万の神々が還り来る。2021/10/31
フユコ
36
将来こういう世界になると妄想しながら絵を見て遊んでみました。2022/12/23
rkondo_001
10
学生時代から密かに追い続けていたこの方が、巻末の解説ではじめて同い歳であったと知りました。僕が惰齢を貪るその内に、この方は一体幾つの異界をこの世に生み出したのでしょうか。僕の怪奇の根底を形作ってくださったお一人だというのに、また今度買わなきゃな、また今度、などと先延ばしにしていたら、とうとうご存命の内に作品入手する事すらも叶いませんでした。数え切れぬ別世界群を携え突然認識に現れて、確実に世界を変えてから、幻か何かだったかのように突然去る。まるでこの本のカミサマか何かのような、そんなクリエイターさんでした。2022/08/23
文太
9
私の出身地もかなり田舎だからか懐かしく思える風景も多かった。ただし、そこに説明の難しいなにかがいる。幻想的かつ怪奇的。美しさの中に得たいの知れない怖さがある。2021/10/24
bibi‐nyan
8
一見ベクシンスキー風のイラストかと思い買うのをためらっていたのですが、訃報を知り意を決して購入。素晴らしかった。これは画集ではなく絵巻物風物語である。描かれるのは、見知らぬ、だがよく知っている「神」である。季節を経て暗い予感が美しく花開く。もっと生理的嫌悪感を刺激されるかと思っていたがすんなりと自分の中で消化されたのは、描かれる風景と概念が、血と肉の中に記憶として残っているからだろうか。早すぎる死を惜しみます。2022/11/23