だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

  • 著者名:鷲田清一【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2021/10発売)
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  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065252895

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内容説明

ことばを、
 ・だんまり
 ・つぶやき
 ・語らい
 の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。
 最初にひとつだけ質問させてください。
 みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます?
 はい。ありがとう。
 嫌いなひとは?
 あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。
 ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。
 ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。
 それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。
 でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか?
 しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。
 メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか
 とか、いろいろありそうですね。
 しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。
 ことばって面倒くさいじゃないですか。
 じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。
 というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。……

 2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。

目次

最初はマスクの話から
なぜ顔を覆うものと、顔そのものとを同じことばで呼ぶのか
ことばって面倒くさいじゃないですか
記憶は脚色する
チグハグでアヤフヤだけど……
「名前のない学校」で
家族インタビュー
「あいつら、ほんとうは弱虫とちゃうか」
寺山修司はこう言った
いちばんつらいことば
「神戸のひとがうらやましい」
出したり引っこめたりの感触がだいじ
固有名詞と呼びかけ
京都市立芸術大学の卒業式
精神科医レインのことば
ストーリーがゆらぎ、傷つくとき
じぶんが壊れないように支えてくれるもの
河合隼雄先生の「ほう」
ちがう語り口で話す
心がけてもらいたいことは、たったひとつ
生徒とことばを
友だちから相談されることが多いんです
ことばと「場」への責任
じぶんがなくなるまで影響下に入ってみる
「時空を超えた語らい」
ことばに道をつけてもらう
直感はね、意外と正しいんですよ
答えはすぐにださなくてもいい

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

110
鷲田先生が愛知県立一宮高校の生徒に向けて行った講演の収録。政治家の心ない言葉やSNSでの無意味なつぶやきが溢れる現代に、言葉の大切さを訴える。寺山修司さんの「大切なのは「話しあい」ではなく「黙りあい」」という言葉が印象的。だんまりの後に、つぶやきがあり、次の語らいでもう一段ステージが上がると説くのが本書のタイトルである。「できるだけ自分と同じコンテクストで生きていない人と話すよう心掛けてほしい」という先生の思いも示される。概念的で難しい内容なのに、講演後の若者たちの質問が極めて鋭く的確で、とても頼もしい。2021/12/14

けんとまん1007

56
鷲田先生の講演録。これを聴けた高校生は、素晴らしい経験になったに違いない。質問などのやり取りで、それがわかる。話すこと、聴くこと、言葉を使うこと、全般にわたって、今のこの国の惨憺たる状況にさおさすこと。話し合うではなく、黙りあうことの意味。なるほどと思う。言葉を使うというレベルに全く達していないのが、今の風潮。政治家、官僚、御用学者から始まって、俗にいう有名人もそうだ。だからこそ、語らうことへ眼を向けたい。2022/01/16

shikashika555

48
「語らい」というのは趣味や嗜好が似ているもの同士の共通の確認ではなく、互いのちがいがより繊細に見えてくる作業だ。 しかしそうすると自分が危うくなる。 自分が誰で何なのかに疑いが芽生える。 その心細さを支えるのも語らい(=聴きあうこと)の中にある。 「あ、この人こんなふうな感じ方をしてるんだ」 「こんなふうに感じたらいいんだ。こんなふうに思ったらいいんだ」 と、自分を少しづつチューニングしてつくりかえていく。 またはやはり自分はこうだと再確認する。 それが語らいということなのだ。 高校生向けの講演より。2023/04/24

tokko

16
高校生に向けた講演の講演録ということで、鷲田さんの語りが読めます。鷲田さんの哲学は本当にゴリゴリしていなくて、体にスッと入ってきます。スッと入ってくるんだけど、スッと出ていかずに、当分の間頭の中をぐるぐる回り続けるんだろうなという感触が得られます。2023/06/28

クロメバル

12
久しぶりの鷲田清一。特に「だんまり」から「つぶやき」への流れについては、納得できることが多い。焦って「語らい」を求めることが多かったことを省みた。今年は聴く力を養うことを意識したい。2022/01/08

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