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内容説明
時代の“先”が見えない今、多くの人が迷わないための“地図”を欲している。しかし、「地図はすぐに古くなり、使い物にならなくなる。一方、真北を常に指すコンパスさえあれば、どんな変化にも惑わされず、自分の選択に迷うこともない」――そう語る著者が、様々な分野の識者と対話。自分の「思考のコンパス」を手に入れ、迷ったときに一歩を踏み出すためのヒントが得られる1冊。 【対談相手とテーマ】●北野唯我――夢中になれる仕事を見つけられない日本の社会システムとは? ●近内悠太――「資本主義はもうダメだ」では社会は変わらない。「すきま」を埋める言葉を ●養老孟司――五感から情報化するために人間は「ノイズ」を求める ●小川さやか――タンザニア商人に学ぶ制度や組織に頼らない生き方 ●高橋祥子――生物的な仕組みの理解なしに資本主義は成り立たない ●井上智洋――毎月7万円のベーシックインカムが日本の閉塞感を打ち破る ●広井良典――ゆるやかに今を楽しむライフスタイルが徐々に広がっていく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
183
常に進むべき道を指し示す思考のコンパスが必要な時代。常識が新たな思考に制約をかけてしまう。違和感に敏感になり固定したライフスタイルから各人が幸福感受性を回復する必要がある。何が大切で何をしていくのか。よりよい未来を考える対談本。情熱は行動を起こすことで生まれ、小さなきっかけから大きく膨らんでいく。将来に漠然とした不安を抱えるからこそしがみつく。その日暮らしで生きる感覚も忘れてはいけない。バーチャル社会では偶発性が生まれづらい。壁一面の本棚から好みの一冊を探し当てるようなランダムネスなSNSが増えるだろう。2022/11/18
よっち
30
変化の激しい時代に必要なのは常に進むべき道を指し示してくれるコンパス。北野唯我、近内悠太、養老孟司、小川さやか、高橋祥子、井上智洋、広井良典「ぶれない指針」を持つ7人との対話。グルを求める人が多い、偶像化すると本質が変わる、贈与に気づくことの重要性、便利さを追い求めると五感からの情報が失われる、不確実性に身を投じると生きやすくなる、ランダムに起きるエラーが進化をもたらす、ベーシックインカム論、資本主義の転換点など、ぶれない人たちの様々な視点からの提言は、こういう考え方・見方もあるのかと興味深く読めました。2021/12/03
Tαkαo Sαito
24
サクッと読めるがとても示唆に富んだ対談本。所々に山口さんの主張も挟まれており、対談相手のバックグラウンド、思考を広げていく経験の豊富さも読み手に心地良かった。人生の経営戦略のような厚い内容の本も良いが、この本のような、様々なジャンルの人との対談もとても面白い2025/04/29
ぶう
24
7名の著名人と山口氏の対談本。一番面白かったのは遺伝子の研究をされている高橋さんの話。生物の進化というのはランダムに発生するエラーを元にもたらされるもの。この仕組みは生物の進化以外にも応用できるとても重要なものであり、エラーを発生させる仕組みを意図的に組みこんでいる会社もある。Googleの20%ルールなんかもそのひとつである。あとは井上氏のベーシックインカムの話も興味深かった。思考実験としては納得できる部分もあるが本当に可能なのだろうか?財源はあるのか?勤労意欲かなくなりはしないか?など興味は尽きない。2022/07/02
Tenouji
22
約1年前に出版されたものであるが、コンパスは変わらないとしても、具体的な内容としては、少し古さを感じるのが驚きだった。2023/11/06