内容説明
「こんにちは、お時間いいですか!?」街頭で突然、警察官が声を掛けてくる。実際に職務質問をされた人にも、偶然そこを通り掛かった人にも、数多くの疑問が浮かぶはずだ。「どこをどう疑ったんだ」「任意なら拒否して帰れるだろ……」「持ち物検査なんて横暴だ」「何で同じ人間ばっかり!」善良な市民もそうでない人も、また現場警察官自身も必読。本邦初、元警察官の著者が赤裸々に描く〈街頭の真剣勝負〉の全貌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
138
身近な職務質問。法的根拠、判例にしたがう運用、警察官の頭にある職務質問を元警察官僚の著者が軽快に紹介する。明文される法的根拠は警察官職務執行法第2条のみ。すべての警察官が、不審者や犯罪の参考人的立場のものに、行動を停止させて質問できるとされる。これは任意である。しかし過去の判例から、幾多の不審者などの事例や行動制限させる根拠とその後の発展的対応の事例で、執行時には明文法を遵守する十分な理論武装があると解説。警察官も犯罪防止が目的で、単に不自然では執行しないとのこと。結論。説得のある「原則全面協力」でした。2021/12/14
のざきち
23
TVでお馴染みの「警察24時」的な密着取材でよくみる職務質問。いつも疑問に思うのは「どこをどう疑ったんだろう?」自分のような善良な市民(笑)も不運にも頻繁に職質されてしまう人も知っておいた方がよい〈街頭の真剣勝負〉の全貌。職務質問が体系的に書かれていて、特に対処法などが興味深く読めました。2021/12/20
あまみ
18
面白かった。著者は元警察官・警察官僚。善意の一般市民にも何時くるかしれない職務質問(職質)。第1章は職質のケースについて合法、違法を解いている。その境目はアナログ。読んでいて少し飽きる部分があるが、止めないで第2章へ進んで下さい一般市民が遭遇する場合場面を述べていてとても興味をひかれた。第3章は警察生徒・新米警察官向け? 職質をする極意というか心得を書いている。▽警察小説を読んだり書いたりするに人にはとても参考になると思った。▽結論。もし善良なあなたが職質されたら、協力をする。あがいても相手は諦めない 2022/01/14
かめぴ
16
とにかく素直に従うべし。を永遠書いてあるように思えて、何かしらの何か(よく分からないけど…)があるかと思ったがとにかく、全面協力らしい。でも元警察官である著者が不審者を装い職質されようと頑張ってもされないとこに、モヤモヤが残る。何のオーラが必要⁈職質って。2022/04/02
海燕
13
職務質問を理論と実務の両面から詳述し、元警察官僚の著者ならではの作。職務上の経験がなければここまで書くことはできないだろう。体系だてて論理的に書かれておりとても分かりやすいが、「役所」の文書に馴染んでいない人にとっては、冗長とかくどいとか思われるかもしれない。改めて「職質」とは、究極には社会や市民の安全を守るために行われるのだと認識。職質をかけられたらどうするか? 端的に、全面協力する。抵抗はコストに見合わない、と著者。警察官も真剣に職務に当たっているのだから、それも頷ける。市民にとって実用の書といえる。2022/07/21