内容説明
ファーブルに憧れて自然豊かな松本高校に入学早々、日本は敗戦。社会の価値観は混乱し、家業の医者になることを期待される中、少年に文学への熱い思いが芽生えていく。登山、昆虫採集、卓球部、猛勉強、友との語らい――北杜夫18歳の息遣いを伝える稀有な日記。父・斎藤茂吉の作品に触発された多数の詩歌、自筆スケッチも収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
7
『どくとるマンボウ青春記』の読者であれば題名を見ただけでピンと来る、北杜夫の旧制松本高校時代の日記。編者も書いているが、意外なことに『青春記』に採用されているエピソードはあまり多くはない。強烈な印象を残すパトス氏やヒルさん、あるいは辻邦夫のことなどには、ほとんど触れられていなかった。敗戦、虫のこと、父茂吉風の短歌、登山、そして最後の詩作、と関心や叙述の移り変わりは見られるが、基本的には青春の悩み、特に怠惰な自分への苛立ちが多かったという印象。父の疎開先山形で過ごした夏の描写がいちばん好きかな。2022/04/18
ちゅう
5
戦時中に青年だった作者の日記。この当時には、こういう青年は、当たり前にいたのか、それともやはり珍しかったのか…。後半は詩になる。先が気になるとか、笑えるとか、楽しいとか、そういう日記ではない。2021/12/05
tama
4
図書館本 新刊案内で 私は最初が北ファンだった。こういう内容とは手に取るまで分からなかった。しかし、辻さんとの出会いが書かれてないし(S20.6月?)その後も見当たらない。ほぼ昆虫記(私の最初の北杜夫)、青春記の世界だが辻邦生が出てこない。実はその程度の付き合いだった!?としたらショック。長文書ける才能が既にあった様子。本当は博物学とか昆虫学の方が良かったのでは。読む力もあったけど、高校生バンカラ気質による独りよがりが多いかな。「女は男に対して初めから何か劣っているようだ」一体何があったのやら。2021/12/23
ihatov1001
3
どくとるマンボウこと小説家北杜夫氏の若き頃の日記です。終戦直前の昭和20年6月ごろから旧制高校卒業間近の22年12月ごろまでが綴られています。エッセイ「どくとるマンボウ青春期」にて、日記を読み返した40代の著者があまりの青臭さい内容に耐えきれず、燃やしてしまったという曰く付きの日記です。やはり残っていたのですね。半世紀以上たって日の目を見るというのはファンにはうれしいことですが、泉下のマンボウ先生は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にされているかもしれません。2022/03/02
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