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内容説明
生命活動の根源ともいえる「呼吸」。人は一生の間に20億回「呼吸」をするといわれています。
そもそも「呼吸」とはなにか? 体はどのように酸素を取り込み、それを体のすみずみにまでに運ぶのか? さらに酸素はどのように細胞で消費され再び肺胞に送られた二酸化炭素はどのように酸素と交換されるのか?
「換気」の仕組みやからエネルギー代謝の方法など、その驚異のメカニズムを「呼吸」の研究の第一人者として知られる著者が徹底解説します。
まず、安静時の呼吸をもとに、生命活動を支えるそのメカニズムを解説。さらにランニングなどの運動時の呼吸をさまざまなデータをもとに精緻に解説していきます。ランニング開始時になぜ呼吸が苦しくなるのか? ランニングのリズムと呼吸のリズムは同調したほうがいいのか? など、さまざまな呼吸への疑問も解決していきます。
その他にも、今大人気のヨガの呼吸とはなにか? 空気の薄くなる登山における呼吸とは? さらには「間合い」とよばれる格闘技での呼吸とは何か? など運動種目別の呼吸のおもしろさも紹介。
そして、近年、話題となっている「呼吸」とメンタルの関係についてさまざまな研究をもとに考察しながら、「リラックス呼吸法」を紹介ていきます。
昨年からのコロナ禍でも注目されている「呼吸」、その基礎の基礎から最新研究やその応用まで、この一冊で「呼吸」のすべてがわかります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
124
おすすめ本。やっぱブルーバックスははずれなしだ。「BREATH:呼吸の科学」と内容はあまり重ならない。かなり本格的な呼吸の生理学ががっつり論じられていて読むのに一苦労だが、著者の専門とする運動と呼吸に関してかなり詳細に最先端を知ることができる。ランニングにおける最大酸素摂取量の増加の方法や長時間運動が可能な乳酸/換気閾値(VT)について理解できた。運動時の呼吸の要諦はしっかり吐くこと。最終章の呼吸とこころの関係は前著と同じ。健康のためにはまず運動、また鼻吸気・呼気長めのゆっくり呼吸、胸郭ストレッチが大事。2022/09/01
寝落ち6段
15
心臓や胃腸、肝臓、膵臓など、体には様々な器官があるけれど、臓器の中で唯一意識的にコントロールできるのが、肺だ。不思議なことに、緊張した時に深呼吸すれば落ち着くし、意識的に呼吸数を上げることで活動量を増やすこともできる。柔道や剣道という武道をやっていた身からすると、呼吸はとても大切にされているものだ。それだけ呼吸は人間にとって必須であり、活用できるものだ。呼吸による生理的反応は本書を一読されたい。しっかりと知ることで、生活の質をよりよいものにできるかもしれない。2023/04/02
アーサー
12
通読。再読する◆ゆっくりとした呼吸は効率が良く、メリットが多い:気分の安定、ストレス解消、リラクゼーション、認知機能の向上。それぞれ原理や論文を紹介している◆内容盛りだくさん。難しい。一度読んだだけでは理解できない部分も多かった。物理、化学、生物の基本的な知識は必要。図や表、グラフは多数あり。ただし全体的にごちゃごちゃしている印象(自分の理解が足りないからかも)。縦書きに数値や数式をぶち込んでいくスタイルも読みにくさに拍車をかける。2023/01/25
三井剛一
11
復習のつもりで手に取ったが、初耳の内容も多く医療職として恥ずかしくなった。こういった気づきがあるからこそ専門書ばかり読んでいてはいけないと痛感。 「運動生理」の分野もおもしろい。 今後、呼吸に関してのエビデンスが多く積み重なっていくのを願う。2023/08/15
アーサー
11
再読◆だいぶ理解が深まった気がする◆この本のユニークなところを紹介しておく。4.3格闘技と呼吸。呼吸相によって向いている運動が変わる。自分の呼吸相と運動を最適化し、相手の呼吸を観察することで試合を有利に進めることができる。3.2 運動時の呼吸。 運動時に楽になる呼吸法はない。しかし、守るべき呼吸法はある:中強度までは鼻呼吸。激しい運動時はしっかり息を吐き、運動と呼吸のリズムを同調させる◆クエン酸回路などの生化学反応はあとで勉強しよう。並行して読んでいるブルース有機化学の下巻に登場する2023/02/17