岩波ジュニア新書 フリーという生き方

著者名：岸川真

岩波書店（2021/10発売）

• ISBN：9784005005697

内容説明

「フリーで働くってかっこよさそう」「フリーで生きたい」と考える人が増えています．では本当のフリーの姿とは，どんなものなのでしょうか．会社に就職することを選ばず，フリーライターとして山あり谷ありの仕事をしてきた著者が，人との関わり方，苦境の乗り越え方，仕事の見つけ方などを元気に語ります．

目次

はじめに┴1　就職しません！？┴フリーになった僕の場合／頭を下げない、無理しない／「行けば行ったでなんとかなるさ」党宣言／不安定を楽しめますか／夢と現実の折り合いをつける┴2　資本が〈自分〉ということは┴ひとのマネがしたい？／自分値で売っていこう／万年学生のススメ／雑談力／耳レーダーを持とう／自己投資はブーメラン┴3　ひとと濃く関わる┴人間関係はシンプルに／人間と向き合えば、いい出会いがある／年の差なんて気にしない／おもしろい人を探そう／自分の「ムラ」を作ろう／家はトリデ┴4　必ずおこる波乱┴仕事がない！／仕事を探しに／命運つきるも／本当の誇りを守る時／気を壊す、体を壊す┴5　ハードルを越えるために┴日常のテンポを／歩いて元気回復だ！／「わかりません」と言ってみたら？／自分を笑ってみようか／どんなことにも終わりがある／つらさも生きる幸せのうち┴6　フリーの肖像┴「五〇年で五〇回しか収穫できないんよ」／「ウチのパンは美味くねえよ」／ヨロコビヤ／消えたフリーライター／一生の仕事┴おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[みゃーこ]

フリーって自由でありながら不自由なんだなって思った。全部自分次第なんだもんな～。競争相手はいないし成果も自分次第なんだけど、常に自分を試されている。ある日突然仕事がなくなって何物でもなくなる不安定さと隣り合わせ。楽な生き方ってないもんなんだね～って思った。

2012/09/23

[袖崎いたる]

人間はフリーだが、その事実に向き合うと、フリーであることに苦しむ。夢はしばしば現実と対比され、現実の方でもしばしば夢なのだと論破されたりする。行動と出会いが大事だと説く本書も、夢見の仕方を示している。生きることは行為であり、行為は人間が自分であらんとする夢見であって、夢はつねに現実を追い越してしまっている。

2018/09/09

[Nobuko Hashimoto]

学生への「キャリア教育」的助言に参考になるかと手に取る。功成り名を遂げた大家の思い出や武勇伝ではなく、まさに進行形でフリーという生き方を模索している編集者の赤裸々な語りなので、文体は柔らかいが非常にリアルである。仕事と収入の波による生活と心身の不安定さが赤裸々に述べられている。そうした部分と、本や映画をこよなく愛する日常や、著者を導いて支えてくれる先輩や仲間について語った部分とが対照的。筆のノリをあえて調整せず臨場感を出したのだと推測。よく岩波はこれをジュニア新書にしたなと軽く驚いた。

2014/05/05

[しゅんぺい（笑）]

これを読んだからって、フリーとして生きていく方法が見つかるわけではない。 このひとが大学をやめてからの成り行きが、多分に運に左右されているように思う。ので、あんまり参考にならないのでは、と思った。 ただ、小学校の友人であったまさしくんの話には感動。これが読めただけでも、よかった。

2014/04/20

[s_n]

フリーランスの喜びと楽しみ、その姿勢。そして、それ以上にフリーであることの苦労さが伝わってくる。定職に就かず好きなことをして生計をたてようと考えている人は手に取ってみるといいかもしれない。

2012/07/08