内容説明
幼い時からかぐや姫の話として誰もが親しんでいるこの物語は,『源氏物語』の中でもすでに昔話として出てくるように,日本最古の物語文学といわれる.光を放つ一筋の竹の中から生まれて気高く成長した姫が,貴公子たちやみかどの求婚をしりぞけて天に昇っていく姿が,他の平安時代の物語に比べ分り易い素朴な文章で綴られている.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
凡例┴一 かぐや姫の生ひ立ち┴二 貴公子たちの求婚┴三 仏の御石の鉢(石つくりの皇子の話)┴四 蓬莱の玉の枝(くらもちの皇子の話)┴五 火鼠の皮衣(あべの右大臣の話)┴六 龍の頸の玉(大伴の大納言の話)┴七 燕の子安貝(いそのかみの中納言の話)┴八 御門の求婚┴九 かぐや姫の昇天┴十 ふじの山(むすび)┴補注┴付録 『今昔物語集』巻三十一所載「竹取翁、見付けし女の児を養へる語」┴付録 『海道記』所載「竹取説話」┴解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
44
奥付には1985年第18刷で定価150円とある。恥ずかしながら高校生の頃からの積読本である。先日、角川文庫(星新一訳)に収録されていた原文を読んだのだが、岩波に採用されたものとは本文、用語解釈に違いがあって面白い。祖本が現存していず、写本としてのみ伝わるこの物語が、誤写というヒューマンエラーの他に、写された時代に合った言葉に置き換えられている可能性が高いという解説は、読んだ甲斐があったと感じさせてくれた。2015/01/21
姉勤
39
四国(讃岐)が舞台だったのかとおもったら奈良の讃岐神社付近とのこと、など認識を改めること多々。嫋竹(ナヨタケ)赫映姫(カグヤヒメ)と名付けられた 娘は、その容姿も、性格も、理由はのちに判明する。オリジナルのオチも知らなかったので、最近に静岡(駿河)に行ったばかりの 個人的には、たまに訪れる”縁の読書”(内容を想定していないなのに、 私生活にリンクする、あえていえばシンクロニシティのようなもの)を感じ、竹取の翁や帝になり替わって、 旧暦の8月15日に一献掲げてみたい気持ちになった。日本最初のSFか。2024/07/10
ichi-papa
28
もう何度目かの再読。何度読んでも「よく出来た物語だなあ」と思います。「髪上げ」をするあたりの様子に「男性」というものの本質がよく描かれているように思いますし、特にラストあたり、天人が降りてくるあたりからの「たたみかける」様子、見事です。よく読みこむと、あまりよく知られていない「かぐや姫」の本当の気持ち(誰のことが好きだったか)なども描かれており、唸らされます。いろいろなジャンルの祖として語られますが、私はやはり「恋愛もの」の祖として読みたいなあ・・・。2015/11/14
金吾
22
求婚者たちの行動は面白いです。また後段の話は迫力があり面白かったです。ふしの山の話も良かったです。2025/09/07
双海(ふたみ)
16
”かぐや姫”の「や」は”木花佐久夜比売”の「や」と同じ語構成要素かもしれない、という指摘は私にとって大きな収穫です。2014/01/12
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